何かと世間を騒がせる言動をすることが多いバーニー・エクレストン(F1最高責任者)だが、またも大きな批判を呼ぶこととなる問題発言をしてしまったようだ。
ケータハムとマルシャの破たんに続き、さらに小規模チームがF1から消えていくかもしれないという危機的状況を迎えている中、エクレストンは『Campaign Asia-Pacific(キャンペーン・アジア・パシフィック)』と呼ばれるメディアとのインタビューにおいて政治的に非常にまずいコメントをしてしまった。
■これまでにも「失言」の多かったエクレストン
84歳となるエクレストンは、かつてヒトラーを尊敬していると語って大きな批判を受けたり、女性は家電とおなじように白い服装にすべきだとの冗談を口にして人々を怒らせたりしたことがあった。
14日(金)に行われたインタビューの中でエクレストンは、女性は「何かと批判したがる」ものだとし、崩壊への道をたどりつつある小規模プライベートチームのことを「ご婦人方とクレジットカード」に例えるコメントを行った。
そして、現在F1での生き残りを目指してチーム再建手続きが進められているマルシャとケータハムについては、もし彼らがいなくなってもさびしがる者など「誰もいない」だろうとも述べた。
エクレストンはさらに、「彼らは問題を抱えてしまったことで、やっと世間にその名前が知られるようになっただけだ」とコメント。マルシャやケータハムを、有名な殺人事件裁判でさらにその名を世間に知らしめることとなったパラリンピックのチャンピオンであるオスカー・ピストリウスに例えながら、「この2チームもそれと同じだよ」と言い放った。
「フェラーリのようなチームが必要なんだ」とエクレストンは付け加えている。
■金を持たない若者を相手にしても意味がない
だが、これらのコメントよりもさらに大きな話題を呼ぶことになるかもしれないのが、そのソーシャルメディアに対する姿勢かもしれない。これまでもフェイスブックやツイッターをあまり重視しないことで批判を受け続けてきていたエクレストンだが、今回も次のような発言を行った。
「それに何の価値も見いだせなかったよ。それに、今日の若者世代と呼ばれる者たちがいったい何を望んでいるのかがまったく分からないんだ」
エクレストンは、F1ではもっと年齢が高い層の市場開拓を進めることのほうに興味を持っていると主張。なぜなら70歳のほうが「もっと多くの金を持っているから」だと次のように続けた。
「子供たちもロレックス(世界的な時計ブランド)を見るだろう。だが、彼らがそれを買いにいくだろうか? 彼らはそんな金など持っていないよ」
「だから、こうした子供たちの気を引こうとするのは無駄なことなんだ。彼らはここで売っている製品を買おうとはしないだろうからね。もし市場開発担当者がこういう年代の興味を引こうと思うなら、彼らはディズニーと組んで宣伝すべきだろうね」