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小チーム、2015年の命運やいかに

2014年11月10日(月)6:53 am

F1第17戦アメリカGPのボイコット騒ぎから一週間。相変わらず苦しい台所事情を抱えるロータス、フォース・インディア、ザウバーだが、とりあえず次戦ブラジルGPも出場した。彼らの頼みは、近々立ち上げが見込まれるプライベートチーム向けの「参戦基金」だ。

そんななかフォース・インディアのオーナー、ビジェイ・マリヤは、アメリカ大陸二連戦欠場は考えもしなかったという。

「なぜわれわれが(ボイコットなんか)?」と、報道陣に語るマリヤ。「だったらいっそのこと、イギリスから出ずにもろもろの経費をセーブするよ」

ところが8日(土)遅くにインテルラゴスで行われた話し合いは、何の解決策も決まらず決裂した。

「彼(バーニー・エクレストン)は、”来週ドナルド(マッケンジー)と会った後、みんなに折り返す”というのみだ」と、不満気な表情のマリヤ。

マッケンジーは、F1株の過半数を持つ投資ファンドCVCの会長だ。彼はここ数日、エクレストンの頭越しにロータスのオーナー、ジェラルド・ロペスと直接会談を行なっている。

その一方でF1 CEOのエクレストンはイギリス『BBC』のインタビューに答え、CVCは単なる「株主」に過ぎないといい切った。いかなる決定もエクレストン経営の会社FOM(フォーミュラ・ワン・マネージメント)が下す決まりなのだという。

ケータハムとマルシャの経営が破たんした今、次に危ないのはわれわれだと、前記三チームは気が気でない。

F1経済記者クリスチャン・シルトはイギリス『Financial Times(フィナンシャル・タイムズ)』紙の記事で、フォース・インディアが「継続企業」として事業を続ける能力に疑問を呈した。彼らの負債は数百万ドルに上るという。

8日(土)、インテルラゴスで報道陣に囲まれたエクレストンは、赤字で運営を続けられず消えていったマルシャやケータハムにあまり同情はできないと、次のように語った。

「人々はF1が危ないという」と、エクレストン。「まったく話にならない。危ないのはいくつかのチームだけだ」

「来る者あれば、去る者ありだ。彼ら(チーム)も収支を意識すべきだね」

8日(土)の話し合いは、分配金について何の確約もないまま終了した。エクレストンは各チームに、「誰かが出費を肩代わりしてくれると思わず」、支出を抑えるべきだと忠告する。

ミーティングでは多くが話し合われたようだ。例えば、今季F1世界コンストラクターズ選手権9番手のマルシャが受け取るはずだった、4,000万ドル(約45億8,000万円)の年間賞金だ。チーム消滅で受け取り手がいなくなったこの金を再分配する案が考えられる。

今季F1を席巻するメルセデスAMGの会長ニキ・ラウダにもアイデアはある。

「景気が悪い今、スポンサーを探すのも大変だ。小チームは助けてやらなければ。それが、われわれのためでもある。彼らだってタイヤやエンジンを買ってくれるお客さんなんだからね」と、ドイツのテレビ局『RTL』に話すラウダ。

エクレストンがいうには、契約によって、小チームに分け与える賞金をみだりに増やすことは禁じられている。これについてラウダは、次のように提案する。「彼らに一定額の金を融資したらどうか。支払い能力に応じて返済してもらえばいい」

果たしてロータス、フォース・インディア、ザウバーの三チームは2015年もグリッドに並べるのか。さすがのエクレストンも保証はできない。

「さあ、どうかな。そうなればいいとは思うが」と話すエクレストンだった。

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