マルシャのチーム消滅が確定したのと同じ7日(金)に、ケータハムが来シーズン以降への生き残りをかけて、その必須条件である今季の最終戦アブダビGP(23日決勝)出場資金を得るために、ファンに向けて資金の提供を求める活動を始めたことはすでに報じた通りだ。
現在、管財人の管理下に置かれ、2500万ドル(約28億6,500万円)とも言われる負債を抱えるケータハムは、この募金活動を通じてアブダビGP出走に必要とされる400万ドル(約4億5,800万円)近い額の調達を目指しているとされている。
このアイデアを歓迎し、すでに数百人が出資の意思表明を行っている。この活動では単に少額の寄付を行うこともできれば、40ポンド(約7,300円)から最高45,000ポンド(約820万円)までの値がつけられた金額を支払うことで、レーシンググローブや、ノーズやウイングといったパーツ類、さらにはアブダビGPでのホスピタリティーなどの特典を受け取ることもできる仕組みとなっている。
だが、このケータハムの活動に対し、レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、イギリスの放送局『Sky(スカイ)』に対して次のように語り、これを批判した。
「考え方が間違っているし、許されるべきではないよ」
「ファンは楽しませてもらうためにチームにお金を払うのであって、チーム存続のために支払いを求められることがあってはならないんだ」
ホーナーは、アメリカGP(第17戦)が行われたオースティンで、財政難に苦しむロータス、フォース・インディア、ザウバーといった小規模チームたちが制度改革を求めてレースのボイコットを示唆した際にも、それに対して批判的な発言を行っていた。
一方、今回ケータハムがインターネットを通じて資金を調達する方法である“クラウドファンディング”を行うにあたって利用しているのは『クラウドキューブ』というサービス会社だ。実はこの会社の担当会計事務所がスミス&ウィリアムソン、つまり、ケータハムの管財人を務めるフィンバー・オコーネルの所属事務所であることも明らかとなっている。。
現在、実質的にケータハムのチーム代表として活動しているオコーネルは次のように語った。
「我々はケータハムF1チームがまたレース復帰できるよう不眠不休で頑張っている。まずは、アブダビに向けてだが、できることであれば、それを踏み台として、新たなオーナーシップのもとに恒常的にレースができるようにしていきたい」
もし、ケータハムが期限として設定している14日(金)までに目標額である235万ポンド(約4億2,700万円)を集めることができなければ、それまでに集められた資金はファンに払い戻されることになるという。
日本時間8日17時30分現在における資金調達額は日本円にしておよそ5,860万円となっている。