マクラーレンが、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)に対し2015年シーズンに移籍してくるかどうかの回答を、遅くとも最終戦のF1アブダビGP(23日決勝)の前までに行うようプレッシャーをかけたと報じられている。
ここ最近の報道によれば、5年間に及んだアロンソとフェラーリの関係はすでに終わりを告げており、アロンソは来年からホンダのワークスエンジンを搭載することになるマクラーレンへの移籍を決めたとされている。
『BBC』は、アロンソは近いうちに2017年のオプションを含む2年契約に合意するだろうと報道。
イタリアの『Tuttosport(トゥットスポルト)』は、契約は2年間で報酬総額は7,000万ユーロ(約100億円)に上ると報じている。
■まだ決断はしていないとアロンソ
しかし、今週、2015年にF1メキシコGPが復活することになるメキシコシティを訪れていたアロンソは、こうした報道を否定し次のように語った。
「新しいニュースは何もないよ。まだ来年に向けては何も決めていないんだ。まだ何も明確になっていないよ」
「フェラーリに関しては、来年に向けて何が最善の策かということについて考えている。僕が続けるにしろ、そうではないにしろね。でも、僕は自分の将来については最善の選択をしたいと思っているんだ」
「頭の中に考えはあるよ。でも過去2か月にわたって毎週のようにこうしたうわさが報じられてきたし、いつも違うチームの名前が挙がっていた」
そう語ったアロンソは、次のように付け加えた。
「僕はフェラーリに対して大きな敬意を抱いている。僕が愛するチームだからね。フェラーリにとっては大変な1年になっているけれど、僕も5年間厳しい年を過ごしてきた」
■しびれをきらすマクラーレン
表面上は、アロンソに残された選択肢はマクラーレン入りするか、あるいは1年間F1から離れるかしかないように見える。その一方で、ジェンソン・バトン(マクラーレン)が今季限りでF1ドライバーとしてのキャリアを終えることになる可能性が高まりつつある中、落ち着かない日々を過ごしていることは間違いない。
かつてマクラーレンで2度F1チャンピオンに輝いた元F1ドライバーのミカ・ハッキネンは、『Hermes(エルメス)』とのインタビューで次のように語っている。
「ジェンソンの最近の態度を見ていると、彼が自信を失っているのは間違いないね」
「長期的な成功を求めて頑張っているときには、おのずと姿勢も違ってくるものだと思うんだ」
マクラーレンも、アロンソとの交渉が長引いているせいで、バトンやチームメートであるケビン・マグヌッセンを落ち着かない立場に置いてしまったことについては認識している。
こうした状況に関し、マクラーレンのレーシングディレクターであるエリック・ブーリエの忍耐もそろそろ限界に近づきはじめたようだ。
■アロンソに最終戦の前までの決断をうながすブーリエ
ブーリエはドイツの『Bild(ビルト)』紙に次のように語った。
「ブラジルとアブダビ(最終戦/23日決勝)の間にはフェルナンドが決断してくれることを望んでいる」
「我々は彼といい話し合いができたよ。彼は我々にうまく適応するだろうし、彼も我々と仕事をしたいという信号を送ってきていた」
そう語ったブーリエは、次のように付け加えた。
「だが、我々としては長期的な対策を望んでいるんだ。1年だけではなく、3年に及ぶ契約をね」