ケータハムが今季最終戦のF1アブダビGP(23日決勝)での出走に備えて準備を進めていることが明らかとなった。
今年6月末にチーム設立者であるトニー・フェルナンデスから、スイスに拠点を置く中東系投資家グループに売却され、その後かつてHRTやフォース・インディアでチーム代表を務めたことのあるコリン・コレスによって実質的に運営されることとなっていたケータハム。その後債権者への支払いが行われず、現在は管財人による会社整理手続きが進められている。
だが、5日(水)にF1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が発表した2015年シーズンの暫定エントリーリストにはケータハムの名前が記されており、フィンバー・オコーネル率いる管財人たちによって来季の参戦申請がなされていたことが明らかとなっていた。
ケータハムと同様に管財人が介入することとなったマルシャも、同様に「マノー」という名前でその暫定リストに名前を連ねている。
だが、これは当初指摘されていたように、ケータハムとマルシャが11月1日までに50万ドル(約5,700万円)の保証金を支払ったということではないようだ。その保証金の実際の支払期限は11月下旬までとなっている。
現在ケータハムの運営管理にあたっている管財人のオコーネルは、チームを売却するためには2015年の参戦申請を行うことは避けられないことだったと次のように語った。
「それは絶対的に必要なことだ。我々は新たなオーナーがそうした費用や2015年に向けた設計の仕上げを引き受けてくれることを期待している」
もし、ケータハムが最終戦のアブダビに姿を見せ、レースをすることができればケータハムの将来にも希望が出てくることになるだろう。F1最高責任者であるバーニー・エクレストンやFIAでは、ケータハムやマルシャがその財政問題を解決するために、アメリカとブラジルの2レースのみの欠場を認めている。つまり、アブダビに参戦できなかった場合は来シーズンの参戦資格を失ってしまい、F1チームとしての価値をすべて失ってしまうからだ。
オコーネルはさらに次のように続けた。
「私は今かなり自信を持って言えると思っているよ。もし我々がアブダビでレースをしないことがあれば、そのときは非常に驚くだろうとね」
ブラジルの『Globo Esporte(グローボ・エスポルチ)』は、もしケータハムがアブダビでの参戦が可能となった場合には、2012年までウィリアムズに在籍していたルーベンス・バリチェロがF1に「驚きの復活」を遂げることになるかもしれないと報じている。
オコーネルはそのことについては明言を避けながら、次のように続けた。
「いくつかの相手と交渉をしている。だが、負担すべき金額が非常に大きいため、なかなか合意に至ることができずにいる。だが、お伝えしているように、我々はそこ(アブダビ)へ行く準備をしているところだ」
管財人による管理下に置かれてから、一時はアクセスも不能となっていたケータハムの公式ページも今は再び公開されており、管財人に関する情報提供などが行われている。