メルセデスにつけられた大きな差を埋めようと、かつてF1エンジン設計の第一人者だったマリオ・イリエンと契約したといわれるルノー。ところが彼らは、この報道を否定している。
先週末、ルノーとイリエンの契約を報じたのは、ドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌である。1992年の第二期ホンダF1撤退後、フォード、プジョーと立て続けにエンジンを変えたマクラーレン。'95年、イリエンの会社イルモアが手がけるメルセデスのユニットへと三たびスイッチ、四年目の'98年、ついにダブルタイトルを獲得する。ルノーは、そんな成功の立役者のひとりとして知られるイリエンと手を組んで不振のV6ターボに開発のテコを入れたとされる。
ところが、ロシアのF1情報ウェブサイト『f1news.ru』によるとルノーは、そんな契約など取り交わしていないという。同社のF1エンジン責任者シリル・アビテブールは、先週末のF1アメリカGPで次のように語った。
「われわれとマリオ(イリエン)が手を組んだとの記事を読んだが、そんな事実はない」
「彼の会社と交渉を行なったのは確かだが、あくまで一サプライヤーの彼らとだ」
「パワーユニットは、多くの部品から構成されている。われわれがすべてを内製しているわけじゃない。話し合いは行なっているが、イルモアに部品を供給してもらうかどうか、まだ決めかねている」と話すアビテブールだった。