今週末開催されるF1アメリカGP(11月2日決勝)の主催者が、4年連続F1チャンピオンであるセバスチャン・ベッテル(レッドブル)が予選を走らないのは「嘆かわしい」ことだと語った。
ベッテルは、オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われる土曜日の予選に出走せず、決勝ではピットレーンスタートを選択することになる。これは、このレースで今年6基目のエンジンを投入することとなるベッテルは年間5基までと定められているエンジンルールに違反することで、もし予選で走ったとしても10グリッド降格ペナルティーを受けてしまうためだ。
ベッテルも、そうした状況に追い込まれることになったエンジン使用数制限ルールに関して次のように語っていた。
「まったくばかげているよ」
「テレビのスイッチを入れた人は、何もすることができずにただ立ち尽くしているドライバーを見ることになるんだからね」
今週末のアメリカGPには、破産手続きに入ったケータハムとマルシャの2チームが出走しないことがすでに確定しており、出走するF1カーは18台だけとなる。
サーキット・オブ・ジ・アメリカズの共同設立者であるボビー・エプスタインは、これに加えて、F1でも非常によく知られたドライバーの1人であるベッテルが予選に走らないのは大きな打撃だと『Guardian(ガーディアン)』に次のように語った。
「これはひどすぎるよ」
「私は彼(ベッテル)が日曜日(決勝)にはグリッドからスタートするところが見たいね」
「観客はイベント全体を楽しみに来るわけだから、それによってチケットの売り上げには影響は出ないだろう。それでも、嘆かわしいことだよ」
ここへ来て一気にマルシャとケータハムという2チームが失われ、ほかにもこのままでは存続が危ぶまれるチームもあると報じられる中、F1は現在のあり方を見つめ直さざるを得ない状況となっている。
エプスタインは、F1はアメリカにおける最高峰自動車レースであるNASCARから学ぶことができるのではないかと考えている。
「F1はもっと人間味のあるスポーツにする必要があるね。NASCARではそれが非常にうまくいっている」
そう語ったエプスタインは次のように付け加えた。
「(NASCARでは)人間同士のつながりがあるんだ。金属とのつながりではなくね」