ホンダは24日(金)、最新技術を導入した新たな安全運転支援システム「ホンダセンシング(Honda SENSING)」を発表。年内発売を予定している新型「レジェンド」から導入を開始し、今後順次拡大してゆく。
「ホンダセンシング」は、フロントグリル内に設置したミリ波レーダーとフロントウインドウ内上部に設置した単眼カメラという特性の異なる2種類のセンサーで構成されたシステム。ミリ波レーダーは、対象物体の位置や速度だけでなく、検知が難しいとされてきた電波の反射率が低い歩行者にまで検知対象を拡大。また、単眼カメラは車両前方約60mまでの歩行者や対象物体の属性や大きさなどの識別を可能にするなど、より高精度の認識能力を持つ。
これらのセンシングデバイスの大幅な精度向上により、世界で初めて「歩行者事故低減ステアリング」も導入。多機能化に合わせてデータの処理能力を向上させ、周囲の状況に加えて、ドライバーの意思と車両の状態を認識することでブレーキやステアリングなどの車両各部の協調制御を可能とした。これにより、車速・車間制御と車線維持支援制御の双方において、通常走行時から緊急時のリスク回避までの運転支援を行う。
≪「ホンダセンシング」の主な機能≫
【衝突軽減ブレーキシステム(CMBS)】
ミリ波レーダーと単眼カメラで前走車、対向車、歩行者を検出。衝突の恐れがある場合に音と表示で知らせ、さらに接近した場合は軽いブレーキによる警告。さらに接近した場合は強いブレーキにより回避操作を支援。
【路外逸脱抑制機能】
単眼カメラで走行車線を検知。車両が車線を逸脱しそうな場合にステアリング振動と表示で警告するとともに車線内へ戻すようにステアリングを制御。逸脱量が大きいと予測された場合はブレーキ制御により路外逸脱を抑制。
【歩行者事故低減ステアリング】(世界初)
ミリ波レーダーと単眼カメラで路側帯の歩行者や白線などを検知。歩行者側の車線を逸脱し、歩行者との衝突が予測された場合に音と表示に加えステアリングを回避方向へ制御。
【LKAS(車線維持支援システム)】
単眼カメラで走行車線を検知。車両が車線の中央を維持するように高速道路でのステアリング操作を支援。制御中に車線を逸脱しそうになった場合にはステアリング振動により警告。(時速65km以上走行時に作動)
【渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール】
ミリ波レーダーと単眼カメラで前走車との車間距離と速度差を検知。適切な車間距離を保つようにアクセルやブレーキを制御。作動範囲を停止まで拡大し高速道路における渋滞時などの運転負荷軽減を図る。
【標識認識機能】
単眼カメラで道路標識を検知。マルチインフォメーションディスプレイやヘッドアップディスプレイに表示することで標識への注意を促す。
【誤発進抑制機能】
停車中あるいは極低速走行中に近距離の前走車などをミリ波レーダーで検知。急加速を抑制するとともに音と表示およびアクセルペダル振動で警告。
【先行車発進お知らせ機能】
停車時に先行車両の発進をミリ波レーダーが検知。先行車の発進を音と表示で通知。