F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は、F1日本GP(第15戦)決勝で起こったジュール・ビアンキ(マルシャ)の事故を受け「事故委員会」を立ち上げた。
これは、FIAがすべてのF1チームに対して今週送った文書により明らかとなったものだ。
これより前、鈴鹿サーキットで今月5日(日)にビアンキが作業中のクレーン車に激突する事故を起こしたのは、黄旗の振動中にもかかわらずドライバーが速度を落としていなかったためだという報道が行われたことに対し、マルシャが正式な声明を出してこれに反論を行っていた。
今回FIAが送付した文書には、各チームに対し「この事故の状況に関するどのような情報も」FIAのパリの本部に提出するとともに「事故委員会の調査に役立つと思われる文書や証拠、関係する情報などを保全しておく」ことを求める内容が記されている。
今回、ビアンキの事故に関して大きな批判や議論を呼ぶこととなった報道を行ったのは、ドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』だった。同誌は、マルシャがあの事故の直前に、ビアンキに対して前を走るケータハムのマーカス・エリクソンとの差を縮めるためにスピードを上げるよう指示を出していたと報じていた。
マルシャはさらに、ビアンキが黄旗が振られている状況でスピードを落とさなかったという指摘に対しても強く反論している。
だが、これを受け、『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』はさらに新たな情報を報じている。
それによれば、ビアンキはクラッシュを起こす前のラップにおいて、高速コーナーとして知られるダンロップコーナーを時速217kmで通過していた。そしてその次のラップ、つまり事故を起こした周でも時速212kmを出していたと報じている。
この情報は、FIAの公式文書をベースとするものだと伝えられている。
こうした文書が存在しているのかと尋ねられたFIAの広報担当者マッテオ・ボンチアーニは、ドイツの『Sport1(シュポルト1)』に対して次のように答えている。
「ジュール・ビアンキの事故に関するすべての関連情報は、鈴鹿でF1競技委員長のチャーリー・ホワイティングから報告されたものだ」
ボンチアーニは、『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』が報じたように、マルシャが本当にビアンキに対してスピードを上げるよう伝えていたのかとの質問に対しても明言は避け、次のように答えている。
「これ(推測に基づいたコメントを行わないこと)はFIAの方針なんだ。特にビアンキのようなケースの場合にはね」