3度のF1チャンピオンで、フェラーリに所属したこともあるニキ・ラウダは、ベッテルのフェラーリ加入はチームにとって良いことだが、ベッテルがフェラーリですぐ成功することはないと見ている。
レッドブルは、4年連続チャンピオンのセバスチャン・ベッテルが今年いっぱいでチームを離れることをF1第15戦日本GP開催中の4日(土)に発表し、パドックを驚かせた。
これにはラウダも驚いたという。オーストリア『Osterreich(エステルライヒ)』のインタビューで語った。
■レッドブル首脳陣との関係悪化
「少なくとも、発表の時期には驚いた。鈴鹿でするとは誰も予想していなかった」
「ベッテルがチームに移籍すると伝えたのは、どうも金曜(3日)の夜8時半頃らしい。警告なしでだ」
「私が疑問に思うことは1つだけ。事前にディートリッヒ・マテシッツ(レッドブル会長)に話していたのかということだ。もし話していたのなら問題はない」
ベッテル離脱の発表の仕方は、レッドブル首脳陣ともう良い関係にないことを示しているとラウダは見る。ベッテルを子供の頃から知っているレッドブルのモータースポーツアドバイザーのヘルムート・マルコも含めてだ。
「知っての通り、彼らには話していなかった」とラウダ。
もしレッドブルとの関係が「もう機能していない」のなら、「新たなモチベーションを求める」のは正しい決断だとラウダは語る。
■フェラーリ再建には時間がかかる
ベッテルの移籍先はまだ発表されていないが、それがフェラーリであることは公然の秘密だ。ベッテルの「新たなモチベーション」は、不振の続くフェラーリの再建だろう。
「フェラーリにとっては、危機が何年も続いた末の新たなスタートになる」とラウダ。
「シューマッハに似ている。これで彼らは、誰からも尊敬される4度のF1チャンピオンを手に入れたんだ」
しかし、この関係が軌道に乗るまでには時間がかかるだろうとラウダは話す。
ベッテルはフェラーリですぐタイトル争いできるかと聞かれると、ラウダはこう答えた。
「まず無理だ。それだけの良いクルマを手に入れるまでには、もっと時間がかかるだろう」
また、なぜフェラーリがベッテル加入を発表しないのかが理解できないとラウダは語った。
「なぜ愚かにもすぐに反応しなかったのか、理解できないね」
「レッドブルのプレスリリースに意表を突かれたのなら、せめて“ベッテルはフェラーリに来る”と言うべきだった」
■アロンソはどう動く
フェラーリを離れると見られているフェルナンド・アロンソは、2日(木)に契約を打ち切ることでチームと合意したのだろうとラウダは語っている。
ドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』は、マクラーレンがアロンソに1シーズン4,000万ドル(約44億円)もの巨額のオファーをしているが、最高権威のロン・デニスが最低でも2年契約を求めている、と伝えている。
また、アロンソは2015年に1年間F1から離れる用意があると警告しているという。その間に、親しい元F1ドライバーのマーク・ウェバーと共にル・マン24時間レースに出場するのかもしれないと記者は書いている。