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ベッテル主導だった、フェラーリとの契約

2014年10月06日(月)7:30 am

F1第15戦日本GP決勝日の5日(日)、ベッテルとフェラーリが契約に至る過程が明らかになった。何から何まで彼の主導だったのだ。

フェルナンド・アロンソとフェラーリの別離、アロンソにレッドブル入のチャンスはないことを暴露したのもベッテルなら、一説にはF1史上最高額の契約金を引き出したのもベッテルだったらしい。

今のF1では珍しいが、マネージャーの助けなく単独でチームと契約交渉をやってのけるドライバーとしてベッテルは有名だ。

4日(土)に行われた衝撃的なレッドブル脱退の発表後、「僕の首から上は伊達じゃないよ」といって笑う27才のベッテル。

にわかに信じがたいがイギリス各紙の報道によると、まだ未発表のフェラーリとの契約でベッテルは実に一年あたり8,000万ドル(約87億7,800万円)を手にする。いうまでもなくF1ドライバーが稼ぐ最高額の契約金だ。

ひとりで交渉したというのは真実だろうか?

「完全にひとりではない」と、『Kleine Zeitung(クライネ・ツァイトゥング)』紙に語るベッテル。「多少、助言をあおぐ友人と弁護士がいる。でも、僕だっていっぱしの大人だよ」

■アロンソの動きは

大きな謎は、アロンソがどう動くかだ。

ベッテルがフェラーリに行ったら替わりにアロンソがレッドブル入りするものと思っていた人には、特に意外だったはずだ。

2015年にダニエル・リカルドとコンビを組むドライバーとしてレッドブルが選んだのは、トロロッソの新人ダニール・クビアトだった。

クビアトの昇進に驚きはあるかとの質問にアロンソは、こう答えた。「いや、特に」

「レッドブルの(若手育成)プログラムは、セバスチャン(ベッテル)、(ダニエル)リカルド、それに(ダニール)クビアトでとてもうまく回ってきた。彼らがプログラムに忠実なのは理解できる」

「僕にとっての優先順位で、レッドブルのシートは決して高くなかった」

レッドブルが人材豊富なのは、同プログラム責任者のヘルムート・マルコ博士も同意する。彼は5日(日)、アロンソのような出来合いのF1王者を金で買うのは意味がないと話していた。

さらにドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』はクリスチャン・ホーナーの話として、次のコメントを伝えた。「アロンソとの契約は、不動産を買うようなものだ」

「確かにすばらしいドライバーだが、何かと曰くつきだからね」

■アロンソとメルセデスAMG

アロンソにとってマクラーレン・ホンダが選択肢のひとつなのは間違いない。だがスペインの日刊紙『AS』は、アロンソはメルセデスAMGのシートに照準を合わせていると分析する。

それについてはニキ・ラウダが4日(土)に否定しているが、チームCEOのトト・ヴォルフは、今もって2015年の組み合わせはルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグで、よしとしていない。

「われわれは、最高のドライバー同士を組ませたい。互いに尊敬の念を持つ環境でいっしょに働いてくれるドライバーをね」と、彼は『Speedweek(スピードウィーク)』に語っている。

「私たちのドライバーにはとても満足している。契約の条件もはっきりしている。パドックを歩きまわってあらゆるドライバーと話をする理由は、これっぽっちも見当たらないよ」

それでもなお、ヴォルフはいう。「人生において100パーセント確実なものなんてないが、われわれにとって99.99パーセント、同じドライバー二人とやっていくのは確かだ」

「クリスマスに欲しいプレゼントは、それかな」と、ヴォルフ。

また『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、こんなヴォルフのコメントを紹介している。「もしあなたに美しい女性がいたら、他に誰も探さないだろう?ただ、向こうから別れを切り出されたら話は別だ」

■アロンソF1休止、その可能性

5日(日)の鈴鹿は台風18号による雨に見舞われたが、パドックを駆け巡ったうわさは、やはりアロンソ絡みだった。2015年に望んだとおりのF1シートと契約条件を得られない場合、F1を休止するというものだ。

「休むだけだよ。別にいいだろ?」と、彼はイタリア『La Repubblica(レプブリカ)』に話す。

「選択肢はいくつかあるが、みんなには分かってほしい。見た目と中身はとても違うことをね」

「僕が話をすれば、みんなもっとよく理解してくれるだろう」

現時点で、マクラーレンもホンダもアロンソとは未契約だとしている。

「まだ何も決まっていません」と『Speedweek(スピードウィーク)』に話すのは、ホンダF1のプロジェクトリーダー、新井康久。「繰り返しますが、何も決まっていません」

「多くのメディアがいろいろ名前をあげますが、どれも真実ではありません」

■バトンとマグヌッセン

マクラーレンCEOのロン・デニスは4日(土)、2015年も現行のドライバーと組む可能性が依然としてあると話していた。

アロンソとケビン・マグヌッセンの組み合わせはどうだろう。そのコンビに賭ける人は多くなさそうだ。

現在の状況についてマグヌッセンにきいてみると、こんな答えがマクラーレンの新人から返ってきた。「ほとんど何も」

「マスコミはいろいろと騒いでいるが、僕は現状に満足している」

「チームメートとして組むなら、僕はジェンソン(バトン)のほうがいい。でも、もう一台に誰が乗るかなんて、あまり重要じゃない。僕がもっと気にするのは、僕自身の将来だよ」

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