財政的に苦境に立たされているとうわさされているケータハムだが、非常に深刻な状況を迎えていることが明らかになった。
さまざまなメディアが報じているところによれば、10月1日(水)に、イギリスの高等裁判所がリーフィールドにあるケータハムのファクトリーからさまざまな物品の差し押さえ命令を出したという。
この命令により差し押さえを実施する担当部局の説明によれば、その差し押さえ品目の中には、2013年型テストカー、F1日本GP(5日決勝)用パーツ、F1シミュレーター、ステアリングホイール、タイヤとホイール、工作機械類、ピット作業用工具、チームの記念品などといったものが含まれており、これらは今後競売にかけられることになるとしている。
ケータハムでは、これにすぐに対応し、2日(木)に次のような声明を出し、チーム存続に支障はないと主張している。
「ケータハムF1のオーナーであり、F1参加資格を持つ1MRT(ケータハムの母体である1マレーシア・レーシング・チーム)に対する根拠のない、事実に反したうわさがささやかれている」
「昨日、1MRTのサプライヤー企業に対して法的措置がとられたが。この会社は1MRTが所有するものではなく、ケータハムF1やそのF1参戦へ何ら影響を持つものではない」
「それどころか、手の付けようのないうわさがまん延しているにもかかわらず、リーフィールドでは現在も活動が続けられており、チームは日本において(参戦)準備を行っている」
ケータハムはマレーシアの実業家であるトニー・フェルナンデスによって設立され、2010年にロータス・レーシングとしてF1参戦を開始していたが、今年7月にスイスに拠点を置く中東系投資家グループに売却されていた。
しかし、その後新管理体制によって行われたリストラに対し、元従業員から訴訟を起こされたり、新オーナーのもとで7月にチーム代表に就任したばかりだったクリスチャン・アルバースがわずか2か月で辞任したりとチームが山積みの問題を抱えていることは明らかだった。
現在ケータハムのチーム代表を務めるマンフレディ・ラベットは最近、F1公式ウェブサイトのインタビューの中で、すでに来年に向けたクルマの開発作業も行っているとコメントするなど、チーム運営に大きな支障はないと主張していた。だが、今回日本GP用の改良パーツも差し押さえられたとされていることから、仮に日本GPで出走できたとしても小林可夢偉としても非常に厳しいレースを強いられることになるのは間違いなさそうだ。