F1第14戦シンガポールGPから一夜が明けた22日(月)、ほとんどの関係者はヨーロッパに戻ったが、シリー・シーズン(ドライバー移籍市場)のうわさは、この日も盛んに飛び交っていた。
相変わらず主人公は、2015年以降もフェラーリとの契約を残すフェルナンド・アロンソだ。
気になるのは、果たしてチーム成績に不満のアロンソが契約解除条項を発動させるか、あるいはマクラーレンの新パートナー、ホンダがアロンソの契約を買い取り、2015年に向けて彼を陣営に引き入れる用意があるかどうかだ。
イタリアの一流スポーツ紙『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』はこの日、アロンソはすでにフェラーリに退団を通告済みだとした。
それが本当なら、あと数週で口を開く可能性ありとしたアロンソ本人のコメントも合点が行く。しかも次戦は来週末、鈴鹿サーキットで行われるF1第15戦日本GPだ。ホンダの裏庭を舞台に何かの発表もうわさされている。
そのいっぽうでマクラーレンは、2014年以降もジェンソン・バトンをチームに残すかどうかの判断と鈴鹿発表の関連性を否定している。
「一切ない」と語るのはレースディレクターのエリック・ブーリエ。マクラーレンの決定が日本で下されるかどうか、質問の答えがこれだ。
「まだ何ら計画を発表する段階にない」と、彼は『Sky(スカイ)』に話す。
少なくともバトンは一年の契約延長を得るのではという最新の憶測がマクラーレン側から漏れ聞こえるのは、興味深い。
ブーリエも、2015年ドライバーの組み合わせが決まりつつあることを匂わせている。
「だいたい、そんなところだ」と、ブーリエ。「まだまだ流動的だが、固まりつつある。どうか私に無理強いしないでくれたまえ」といって、ブーリエは微笑む。
ここで、さらなるヒントをバトン本人に求めてみよう。彼にとっては、マクラーレンの決定次第でF1キャリアが終わるかどうかの瀬戸際だ。
ところがバトンの発言からは自信めいたものが感じられる。
「そのことについては何も心配していない」と、イギリス『Guardian(ガーディアン)』紙に語るバトン。「来年も残れたらとても嬉しい。今だって、それなりの仕事をしていると思う」
2015年には、かつてバトンの雇い主だったホンダにも再会できる。その点についてもバトンの姿勢はオープンだ。
「タイアップが始まったら、競争力を発揮しようといきなり全力投球するに決まっている。それがホンダだ」