今季、冠スポンサーなしで活動中のマクラーレンが新たに痛手を被った。
F1第14戦シンガポールGP決勝前日、バーニー・エクレストンはウィスキーのジョニー・ウォーカーが新規のF1公式スポンサーについたと発表したのだ。
チームが支援企業探しに四苦八苦するなか、エクレストンは常にトップブランドをゲット。秘訣はなんだろう?ドイツ『Speedweek(スピードウィーク)』が本人にきいてみた。
「チームも素晴らしいスポンサーに恵まれているじゃないか」と、83才の英国人エクレストン。
「ジョニー・ウォーカーはすでにあるチームのスポンサーになっている」
あるチームとは、もちろんマクラーレンだ。昨年限りで英通信会社ボーダフォンのスポンサーシップを失い、その穴埋めに失敗。チーム成績が思わしくないうえ、長年支援を受けてきたファッションブランドのヒューゴ・ボスをメルセデスAMGに持っていかれたのも痛い。
しかも、イギリス『The Mirror(ミラー)』紙によると、ジョニー・ウォーカーもマクラーレンのもとを去るという。
同紙のバイロン・ミラー記者は、ジョニー・ウォーカーの他、多くのブランドを抱えるイギリスの酒造会社ディアジオがエクレストンと手を組んだと伝えている。マクラーレンにとっては「大打撃」だ。
「不況にも関わらず広告料金をまけようとしないチームCEOロン・デニスにとって今回の決定は、またまた赤っ恥だ」と、ヤング記者は説明する。
ところが皮肉なことに、マクラーレンのベテラン選手ジェンソン・バトンにとっては、これが2014年以降F1に留まる絶好の機会となるかもしれない。
仮にF1参加チームが10を切った場合、台数が減らないよう、エクレストンは金銭的に余裕のあるチームに三台目のエントリーを要請するからだ。
しかしバトンは、自らの実力に訴えてデニスとの交渉をまとめたいのが目論見だ。
「ロン(デニス)とは繰り返し話をしている。すべてうまく運んでいるよ」と、彼はシンガポールで語っていた。「僕は何ごとにもひるまない」
「来季F1に残れるとしたら三台体制のチームだけなんて考えたくもない。F1は、今のままがいいよ」