ウィリアムズの開発ドライバーであるスージー・ヴォルフは、正ドライバーの座が手に入らなくても現在の立場で満足だと話した。
スコットランド出身で31歳のヴォルフは、かつてDTMに参戦しており、ザウバーの提携ドライバーであるシモーナ・デ・シルベストロとともに、女性ドライバーとしてF1正ドライバーの座に最も近い場所にいる。
今年ヴォルフは、第9戦イギリスGPと第10戦ドイツGPでフリー走行1回目に出走。F1で公式に女性ドライバーが走るのは22年前の1992年、ジョバンニ・アマティ以来の快挙だった。
しかしウィリアムズは、2015年も今年と同じバルテリ・ボッタスとフェリペ・マッサのドライバーラインアップを継続すると発表したばかりだ。
正ドライバーのシート獲得を期待していたかとドイツの『Sport 1(シュポルト1)』に聞かれたヴォルフは、「いいえ、まったく」と答えた。
「私には高い目標があるけれど、現実的でもある。フェリペとバルテリは今年素晴らしい仕事をしていて、2人の残留は明らかだった」
それでも、目標はいつかF1でレースすること、と話すヴォルフだが、今の役割に満足していると次のように語った。
「F1でのチャンスを得ようと戦っている優秀なドライバーはたくさんいる。だから私は今の地位を何とかして守らなければ」
「1回でもレースに出るために戦うつもりなら、どこかほかへ行くべきなのかもしれない。でも私がそうしないのは、ウィリアムズの一員であることをとても誇りに思っているから。それに私はこのチームと一緒にやっていきたい」
「パドックに出入りするようになって長いから、チャンスのある場所とない場所は分かる。私にはこれ以上のチャンスはないと思う」
「今年ウィリアムズは大きく前進した。私たちの目標は、早くまたチャンピオン争いができるようになること。その成功の一部にかかわれれば、それですごく満足よ」
一方、夫であるトト・ヴォルフは、メルセデスAMGビジネス部門のエグゼクティブディレクターとして、チャンピオンを争うチームを率いる立場にある。
メルセデスAMGのニコ・ロズベルグとルイス・ハミルトンのどちらがチャンピオンになると思うかという問いに、スージーは「本当に何とも言えない」とはっきりとは答えなかった。
「2人とも特徴も性格もまったく違うけれど、どちらもここまで素晴らしい仕事をしてきた」
「最後のレースまで決着はつかないと思う」