今週末の第14戦シンガポールGPを前に、ドライバー移籍市場のいわゆる「シリー・シーズン」絡みで耳を疑うようなうわさが飛び出し、さっそくF1世界王者セバスチャン・ベッテル(レッドブル)と彼のチームは、それを否定した。
ドイツ『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』紙は16日(火)、フェラーリに不満のフェルナンド・アロンソがベッテルの代わりに2015年、レッドブル入りするかもしれないと報道。それも、ベッテルのフェラーリ加入を絡めた「交換」契約だというのだ。
ベッテルはこれをただちに打ち消す。
「またかよという感じだ」と、ベッテル。「僕はレッドブルとのあいだで契約を交わしている。それで満足だよ」
この日、チームアドバイザーのヘルムート・マルコ博士は次のように語った。「アロンソがレッドブルに来ることは決してない」
今季は失意の年となったベッテルだが、彼に対する同チームの信頼が決して揺るがないものである証しは、もうひとつある。チームオーダー発動を要求するダニエル・リカルド(レッドブル)について、チームはこれに耳を貸さないことをマルコが明言したのだ。
「われわれのあいだにチームオーダーは存在しないし、今後も同じだ」
シンガポールでも新しいシャシーを手にする予定のベッテル。これについてマルコは、こう話す。「もしセバスチャン(ベッテル)が優勝できる状況になったら、ダニエル(リカルド)の順位に関わらず勝ちに行ってもらってかまわない」
「それがわれわれの勝負哲学だ」
原因不明のハンドリング問題にさいなまれる四度のF1世界チャンピオン、ベッテルに四台めのシャシーを与えることは果たして理にかなった行いだろうか。マルコの説明は、こうだ。「セバスチャンが実力をフルに発揮できないのは、チームにとって大問題なのだ」
チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、次のように付け加える。「大きな声でいえないが、セバスチャンはシンガポールで勝つような気がする」