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ジャン・トッド「現在のフェラーリの状態はかつてほどひどくはない」

2014年09月17日(水)16:46 pm

元フェラーリのチーム代表であり、現在はF1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)の会長を務めるジャン・トッドが、現時点でフェラーリが抱えている困難な状況は、20年以上前に自分がフェラーリに加入したときの状態と比べればずっとましなものだと語った。

先週フェラーリ会長を辞任したルカ・ディ・モンテゼモーロに招かれ、1993年にマネジャーとしてフェラーリF1チームの再編に取り組むことになったトッドは2009年3月にフェラーリを去るまでの間に、ミハエル・シューマッハらとともにフェラーリ黄金期を築き上げるという実績を残している。

トッドは、イタリアの『Il Giornale(イル・ジョルナーレ)』紙に対し、その当時のフェラーリの状況と比べれば、現在の状況は「ほほ笑ましいものだ」と次のように語った。

「今日のフェラーリは、正常な形に戻すのにそれほど多くの手をかける必要はないと思っている」

「私が1993年に加入したときには(フェラーリの)神話は完全に崩壊していたが、今回は全く状況が異なっているよ」とトッドは主張した。

フェラーリは2007年にキミ・ライコネンがF1チャンピオンとなったのを最後に、それ以来一度もドライバータイトルを獲得できずにきている。そして、V6ターボエンジンによるF1新時代の幕開けとなった今季は、さらに不振の度合いを強め、前チーム代表であったステファノ・ドメニカリに加え、今回はついにモンテゼモーロまで更迭されるという状況に陥っている。

こうしたフェラーリの状況に関し、これまでにないほど悲惨なものだと考える者も少なくない。例えば、4度F1チャンピオンに輝いた元F1ドライバーのアラン・プロストは2014年のフェラーリは完全にチームとして成り立っていなかった1991年の状況に匹敵するものだと述べている。プロストはその年、クルマやチームの状態に対して批判を行ったことで、フェラーリを解雇されていた。

「私の意見は違うよ」とトッドは続けた。

「私は、今日のフェラーリに対する批判は不当だと思っている」

「アロンソ(フェルナンド・アロンソ)はモンツァ(第13戦イタリアGP)でリタイアしてしまったが、それまでは今季唯一すべてのレースでポイントを獲得したドライバーだった」

「だが、私が加入した当時は、レースを完走できれば奇跡だと言える状況だったんだ」

だが、そのトッドも、これまで過去から現在にわたってフェラーリの顔として活躍してきたモンテゼモーロを更迭したフィアット-クライスラー・グループのセルジオ・マルキオンネ会長の決断に対して批判を行うことはなかった。

「モンテゼモーロは23年もフェラーリの代表者としてやってきたが、それは非常に長い期間だ」

そう述べたトッドは、次のように付け加えた。

「大きな組織においては、どこかの時点でこういう変化があるのは正常なことだよ。私自身も、いつかは終わりを迎えるときがくるとずっと思っていたからね」

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