元フェラーリ会長のルカ・ディ・モンテゼモーロが、順調に推移してきたフェラーリの市販車ビジネスと、その反面不振に陥っているF1との間に相関関係はないと語った。
23年間にわたってマラネロに本拠をかまえるフェラーリを象徴するリーダーであったモンテゼモーロは、先週、親会社であるフィアット-クライスラー・グループのセルジオ・マルキオンネ会長によって辞任に追い込まれた。
マルキオンネは、67歳のモンテゼモーロが市販車ビジネスを成長させたことは称賛に値するものだが、年々不振に陥っていくF1については見直しが必要だと、今回の決断の理由を述べていた。
つまり、F1で好成績を挙げられない限り、最終的にはフェラーリ全体にその影響が及ぶだろうという考えだ。
だが、16日(火)の夜にイタリアの放送局『RAI』が放映することになっているインタビューの中で、モンテゼモーロが、フェラーリ市販車ビジネスとF1での成功が相関関係を持つという考えに対して反論を展開していることが明らかになった。
その中で、モンテゼモーロは次のように語っている。
「よく、もし(F1で)勝てればもっと(市販車が)売れるし、もし負ければ売り上げも減るだろうと言われることがある」
「それは違う、というのが私の答えだ。ちょっと考えてみて欲しいんだが、過去60年の間にフェラーリの売り上げが飛躍的に伸びたのはアメリカの市場でなんだ。F1のことについてほとんど知られていない国でね」
モンテゼモーロはさらに、それはほかの市場についても同じことが言えると次のように付け加えている。
「ドイツ人ドライバーを乗せれば、ドイツでもっと売れるとも言われたよ。だが、我々はミハエル・シューマッハのような傑出したドイツ人ドライバーとともに素晴らしい勝利を重ねてきたが、ドイツでの売り上げが増えることはなかった」