ジェンソン・バトンが来季もマクラーレンに残留するという見方が強くなってきている。
ロン・デニスが率いる名門マクラーレンでは、2015年からホンダエンジンを搭載しての新たな時代を迎えるにあたり、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)、ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)、そしてセバスチャン・ベッテル(レッドブル)といったF1屈指のドライバーと契約を結ぶことを望んでいることはすでに公然の秘密となっている。
だが、最新の報道によれば、マクラーレン-ホンダでは、むしろ最初のシーズンとなる2015年には堅実な力を持つことを印象付け、その上で2016年に最高レベルのドライバー獲得を目指そうという方向性に切り替えてきているのではないかとされている。
事実、アロンソは2016年まで、ハミルトンとベッテルも2015年まで現在のチームとの契約があり、その引き抜きはたやすいことではない。となれば、ジェンソン・バトンが少なくともあと1年はマクラーレンから走る可能性が高くなりそうだ。
■マグヌッセンの残留はほぼ確定か
マクラーレンの育成ドライバーから今季レースドライバーに昇格したルーキーのケビン・マグヌッセンは、ほぼ来季のシートを確実にしたものと考えられている。
マグヌッセンは、ライバルドライバーたちとホイール・トゥ・ホイールの激しい攻防を展開したが、それは少々やり過ぎだったとしてF1ベルギーGP(第12戦)でペナルティーを受けてしまった。だが、マグヌッセンはそれに続く先週末のイタリアGP(第13戦)でも再び同じペナルティーを受けてしまった。
しかし、チーム代表のエリック・ブーリエは今週、21歳のマグヌッセンはそんなことでくじける必要はないと次のように語った。
「私は、彼(マグヌッセン)には今やっていることを通じてもっと自信を強めていく必要があると思っているんだ」
「彼が向上していることは間違いないよ」とブーリエ。「彼は、ボクシングで言うなら一階級上で戦っているようなものかもしれない。なぜなら彼にはもっといい結果を残せるだけの速いクルマがないんだからね」
「もちろん、彼の自分に対する自信はすごく大きくなっている。それは彼の今後のレースにとってはいいことだし、これからはさらによくなっていくだけだよ」
■残留への期待が増すバトン
一方、チームメートであり、現役最多レース出走数を誇るベテランドライバーのバトンに関しては、これまでその将来の見通しは必ずしも明るいものではなかった。だが、そのバトンも現時点では現契約を延長し、来季もマクラーレンで出走する方向へ向かいつつあるようだ。
バトンは、『Daily Mail(デイリー・メール)』に対し、イタリアGPの週末にデニスと「多くの時間」をかけて話し合いを行ったことを明らかにし、次のように語った。
「ケビンや僕のドライバーとしての状況はいったん忘れた上で、チームの将来に関して、どういう方向へ進み、どのような力を持つことになるのかという話ができたのはよかったよ」
「まさに興味深く、かつ勇気づけられるものだった。それは特に最近の2レースの際に行われたんだけど、チーム内の雰囲気に関してもいいものだったよ」
だが、厳密には、まだ来季以降のバトンのシートが確約されたわけではない。
■マクラーレンのシート獲得を視野に入れるグロージャン
今季のロータスの不振に失望を隠せないロマン・グロージャンは、イタリアGPが開催されたモンツァにおいて、将来移籍を望む希望チームのトップがフェラーリとマクラーレンであると認めていた。
ロータスのチーム代表であるジェラルド・ロペスも、グロージャンがチームを離脱する可能性があることを認めている。
「1人は、パストール(マルドナード)だけど、すでに(2015年の残留が)確定している」
F1公式サイトのインタビューにおいてそう語ったロペスは、次のように付け加えた。
「そして、ロマンには契約があるが、(チームの)成績が悪ければ彼がその契約を解除できることは秘密でも何でもない。だが、我々は現有体制のままで(来季も)続けていけると強く確信しているよ」