かつてトロロッソで活躍した元F1ドライバーであり、今年から新たに発足するフル電動フォーミュラカーによるフォーミュラE世界選手権にヴァージン・レーシングから参戦することが決まっているハイメ・アルグエルスアリが、現在のF1について厳しい批判を行った。
かつてレッドブルの若手ドライバー育成プログラムに所属していたアルグエルスアリは、2009年シーズンの途中からレッドブルのジュニアチームであるトロロッソからF1デビューを果たした。ちなみに、19歳と125日でのF1デビューは現時点での最年少記録だ。
しかし、その記録も来年にはトロロッソから17歳でデビューすることが決まっているマックス・フェルスタッペンに破られることになる。
その後3シーズンにわたってトロロッソで戦ったアルグエルスアリだが、2011年シーズン終了後にそのシートを失っていた。その後、F1公式タイヤサプライヤーであるピレリのテストドライバーを務めながらF1復帰の道を探っていたアルグエルスアリだったが、今季からフォーミュラEに転向を決めている。
アルグエルスアリは、スペインの『Diario Sport(ディアリオ・スポルト)』紙に次のように語った。
「現時点では、F1はスポーツだとは考えていないよ」
「エンジンやタイヤ、そして全体的なパフォーマンスなど、F1はすべてを失ってしまっている」
「かつてはF1カーを運転するのは難しかった。すごく難しかったよ。でも今では16歳でもF1カーに乗れるし、競争力だって発揮できるんだ。昔よりも5秒か6秒も遅いからね」
「カルロス・サインツJr.のように、何年も訓練を積んで、ルノー・ワールドシリーズのような国際的なシリーズをリードしているドライバーが、なんだかスポーツとは関係ないように見える判断によってチャンスを得ることができないなんて、無礼なことだと思うよ」
「一番重要なのはビジネスであり、それによっていくら稼げるかってことみたいだね」
かつてレッドブルのヘルムート・マルコによって引導を渡された現在24歳のアルグエルスアリは、「僕は前へ進むよ」と語り、次のように付け加えた。
「公に、そして正直に言うけれど、僕はもうF1のことなんか何も聞きたくないよ。だって、あそこで行われているのはばかげていて恥ずべきことばかりなんだ。僕にとっても、そしてF1で走るだけのレベルにあるほかの多くのドライバーたちにとってもね」