17歳の若さで2015年にF1デビューすることになったマックス・フェルスタッペンが、さまざまな批判を受けることになるだろうという「覚悟はしていた」と語った。
現在まだ16歳のオランダ人ドライバーが来年F1史上最年少でデビューを飾ることになったというニュースは大きな波紋を呼んでいる。中には否定的な見方をする者も少なくない。
■レッドブル育成プログラムの先輩も疑問視
同様にレッドブルの若手ドライバー育成プログラムに身を置き、ジュニアチームのトロロッソを経て今季レッドブルに昇格した先輩ドライバーであるダニエル・リカルドでさえ、今回のニュースには首をかしげている。
「フェルスタッペンはデビューするとき、そしてそれから何か月か後にコースの上で答えを出すことになると思うよ」
8月31日(日)にロレンツォ・バンディーニ賞を受けるためにイタリアを訪れていた25歳のリカルドは、『Omnicorse(オムニコルセ)』にそう語ると、さらに次のように続けた。
「僕に言わせれば、F1ドライバーとして17歳というのは若過ぎると思う。でもそれは僕の個人的な意見だし、間違っているかもしれないけれどね。様子を見よう。僕から見れば、若過ぎるね」
■デモ走行ではクラッシュを喫したフェルスタッペン
そのフェルスタッペンは先週末、母国オランダのロッテルダムの市街地でF1カーのデモンストレーション走行を行った。だが、それにより自分に対する批判をさらに強めることとなってしまった。
フェルスタッペンは、トロロッソのカラーリングが施された2011年型レッドブルF1カーのステアリングを握ったものの、頭からバリアにクラッシュしてしまったのだ。どうやら現代のF1カーの複雑な制御システムの操作を間違えたことがその原因だったようだ。
以前、フェルスタッペンは、レッドブルと契約を結んだときにはその後批判も受けることになると思っていたと次のように語っていた。
「F1史上最年少ドライバーになることが発表されれば、そういうことが起こるのも予想できるよ」
オランダのウェブサイト『RaceXpress.nl』にそう語ったフェルスタッペンは、次のように付け加えた。
「来年はそれがどのように変わるかが分かることになるよ」
■不安はないとフェルスタッペン親子
フェルスタッペンは、今回のデモンストレーション走行の準備として8月26日(火)にイギリスのロッキンガムですでにF1カー初走行を体験していた。父親であり90年代にF1ドライバーとして活躍していたヨスは、そのときはイギリスを訪れることができなかったため、今回ロッテルダムで息子がF1カーを運転しているところを初めて目にしている。
ヨスはそのとき次のように語った。
「緊張は感じなかったよ。彼は落ち着いていたし、すべてにうまく対応していたから、問題はないだろうということが分かった」
フェルスタッペンについては、来年のデビューに先駆け、今シーズン終盤に金曜フリー走行でF1公式走行のデビューを飾るのではないかとのうわさもささやかれている。これに関し、ヨスはマックスにとって次のステップがどういうものになるのかはまだはっきりしていないと次のように続けた。
「まだ分からないんだ。日に日に変化するからね」
「我々が判断したのは、広報活動に関しては今後少しやりやすくなるだろうということだ。今週末以後は、マックスはレースのための準備に集中しなくてはならないからね」
フェルスタッペン本人も次のように語っている。
「どういうプログラムが待っているのかはっきりとは知らないし、フリー走行で走ることになるのかどうかも分からない」
「F1はF3とはすごく違うね。クルマにはもっとパワーがあるし、出足もすごくいいし、そのまま加速し続けるんだ。本当のサーキットで、アクセル全開で走るのを待ちきれないよ」
■エクレストンはフェルスタッペンのデビューを歓迎
F1最高責任者であるバーニー・エクレストンは、若いフェルスタッペンのF1デビューについては何の問題もないと考えているようだ。
エクレストンは、ベテラン記者であるロジャー・ブノワを通じてスイスの『Blick(ブリック)』紙に次のように語った。
「どうしてだめなんだい?」
「彼に才能があるのなら、それにチャレンジすべきだよ。年齢によって制限すべき理由などないと思うね」
後2か月ほどで84歳の誕生日を迎えるエクレストンは、「私も復帰にチャレンジしようかな」と冗談を付け加えた。
さらにエクレストンは、フェルスタッペンのデビューはもっと若いファン層の注目を集めるという意味で、F1にとっていいことかもしれないと語り、次のように付け加えている。
「トト・ヴォルフ(メルセデスAMG/ビジネス担当責任者)は常々私にソーシャル・ネットワークの重要性を説いているんだ。どうなるか様子を見よう」