前戦F1ベルギーGP(第12戦)決勝で、恐れていたチームメート同士でのクラッシュが発生したメルセデスAMGでは、本部であるブラックリーで先週の金曜日(8月29日)に行われた緊急会議を開催。その後、今回の事故に関してはニコ・ロズベルグのほうに非があるとして罰則を与えたことを発表。またロズベルグ本人も、ルイス・ハミルトンに陳謝する声明を発表していた。
そして、2008年のF1チャンピオンであるハミルトンはその後、自分の公式ホームページに次のようなメッセージを掲載している。
「ニコと僕はお互いにミスを犯したということを受け入れたし、どちらのほうがより悪かったというような非難をすることは間違っていると感じている」
「今は状況も違うし、難しい時期を迎えているけれど、僕とニコの間にはまだ深い基盤が存在している」
そのメルセデスAMGの会議では、チームとしては今後も2人が正々堂々とレースを行い、一線を越えない限り、自由にレースをさせることを確認したと伝えられている。
メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフは、ドイツの『Bild(ビルト)』に次のように述べた。
「それ(チームオーダーを出さないこと)は、難しい決断だったよ」
「だが、ニコとルイスは我々のヒーローなんだ。彼らが我々が求めるものや目標について理解してくれたと期待しているし、信じているよ」
「今後、その責任と向き合うのは彼ら次第だよ」
一方、メルセデスAMGの非常勤会長であるニキ・ラウダは8月31日(日)の『Frankfurter Allgemeine(フランクフルター・アルゲマイネ)』紙に、ハミルトンは「スパですべてを失った」だけに、「そのポイントを奪い返す」ことに必死になるだろうし、さらなる火花が飛ぶことも起こり得るだろうと次のように語った。
「我々は用心しないとね」
「だが、彼らがメルセデスAMGが掲げる明確な目標を危険にさらすようなことがない限り、彼らは好きなようにレースをすることができる」
そう述べたラウダは、次のように付け加えている。
「私はニコとルイスがどちらもレースに勝ちたいと望み、F1チャンピオンになりたいと思っていることをすごくよく分かっている。だが、彼らもチーム全体を危機にさらすわけにはいかないんだ」