17才という記録破りの若さで2015年にトロロッソからF1デビューを予定している、マックス・フェルスタッペン。これに反対の大合唱が広がるなか、ミカ・ハッキネンもその輪に加わった。
マクラーレンで1998年と1999年の二年連続、F1ドライバーズタイトルを獲得したフィンランドの元F1ドライバー、ハッキネン。彼の批判は、カートを卒業してわずか一年半の若者との契約を決めたレッドブルだけでなく、かつてコース上のライバルだったフェルスタッペンの父親でマネージャーのヨス・フェルスタッペンにも及んだ。
「わずか16か17の年齢でF1の準備なんかできるわけはない」と、自身のスポンサー、エルメスとのインタビューで語ったハッキネン。
ハッキネンもバルテリ・ボッタス(ウィリアムズ)のマネージメントに関わったことがあるほか、彼の息子ヒューゴも、競争が激しいカートの世界に身を投じている。「マネージャーとして、父親として、私ならあの若さのドライバーを決してF1でレースさせはしない」
「まだ早すぎる。もし失敗したら、ダメージは相当なものになりかねない」と、ハッキネンは警告する。
今季タイトル争いに目を転じてみよう。メルセデスAMGの両ドライバーがチーム内でつぶし合いを演じていることもあり、ハッキネンはダニエル・リカルド(レッドブル)の可能性を排除できないと、次のように語る。
「シーズン開幕当初に比べてメルセデスAMGの独占状態は薄らいでいるね」
「私の目には、リカルドが危険だ」
「彼はF1世界選手権を何年も連覇しているチームのドライバーだ。タイトル取りの経験豊富なうえ、あの落ち着きぶりはすごい」
「メルセデスAMGはプレッシャーがより大きいし、ドライバー同士のいざこざはタイトル獲得に何の助けにもならない」と、ハッキネン。
メルセデスAMGはチームをあげてニコ・ロズベルグとルイス・ハミルトンの争いを沈めようと試みているが、ハッキネンは、ふたりは争いを続けると予想する。
「両ドライバーとも、”おい、おれは世界チャンピオンになりたいんだ”といってきかないだろう」
「もちろん、チームは内部の規則を設けるかもしれない。たとえば、いかなる状況下でもレース序盤の衝突が起きてはならないとかね」
「でも、その後つぎのレースがやってくる。どんな努力を払おうが、誰にもニコとルイスのシビアな戦いは止められない」