16才の超新星マックス・フェルスタッペンの飛び級F1昇格で割りを食ったドライバーがふたりもいる。
昨年までレッドブルの若手育成プログラムでいちばんの期待株といえば、ポルトガル出身の22才、アントニオ・フェリックス・ダ・コスタだった。ところがシーズン途中で調子を落とした彼は、ダニール・クビアトにトロロッソのシートを奪われた。
そして今、フェルスタッペンにも追いぬかれたのだ。
「レッドブルからDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)でBMWに乗っている今ほどシーズンを楽しんだことはない」と、自身の公式インスタグラムで語るダ・コスタ。加えて話題の新シリーズ、フォーミュラEにも参戦予定だ。
「(DTMは)真のプロ選手ばかりが集まったタフな選手権だ。(F1まで)さらに10年かかってもかまわない。マックス・フェルスタッペン君は、どうぞがんばって」
ダ・コスタは、僚友のカルロス・サインツJr.にもエールを送っている。フェルスタッペンがまさかの抜てきを受けるまで、2015年トロロッソのシートは彼が獲得するものと思われていた。
「わが友カルロス・サインツ、君の気持ちは分かる」と、ダ・コスタ。「何はともあれプッシュを続けるのみだ。それが君の本領だからね!」
スペインの日刊スポーツ紙『Marca(マルカ)』は、サインツJr、父の元世界ラリー王者カルロス、ヘルムート・マルコ博士の三者が交渉を重ねて見通しは明るかっただけに、今後についてサインツ父子は当惑気味だと伝えている。
別のスペイン紙『AS』は、フェルスタッペン契約を受けてサインツJr.は20日(水)、ふたたびマルコと会って話をしたと報じた。
「前向きな会談だった」と話すのは、サインツJr.だ。彼は現在、争いがし烈なフォーミュラ・ルノー3.5シリーズを大きくリードしている。
「レッドブルは僕をサポートしたいそうだ。来年に向けても解決策を探ってくれている」と、サインツJr.は話している。