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小林可夢偉、ベルギーGP欠場を機に「距離を置いて考えてみる」

2014年08月21日(木)16:23 pm

現在唯一の日本人F1ドライバーである小林可夢偉(ケータハム)は、残念ながら今週末のF1ベルギーGP(24日)決勝は欠場となる。

可夢偉は、今週末には少しレースから距離を置き、何か自分のレース人生に何かしら「調和が欠けていなかったかどうか」を考えながら過ごすことになりそうだ。

可夢偉はまだケータハムとの契約下にあるものの、ケータハムの新首脳陣はベルギーGPでは可夢偉の代わりにドイツ人ドライバーのアンドレ・ロッテラーを起用することを決めた。ロッテラーは2011年のフォーミュラニッポンのチャンピオンであり、アウディのワークスドライバーとしてWECにも参戦し、年間タイトルを獲得したドライバーだ。加えて、今季も日本のスーパーフォーミュラで活躍しており、現在チームメートの中嶋一貴(チーム・トムス)に続くランキング2番手となっている。

ベルギーGPでロッテラーにステアリングを譲ることとなった可夢偉は、自身のツイッターに次のようにつぶやいている。

「今週のベルギーGP、僕は参戦しない事になりました。僕の好きなSPAを走れないのは非常に残念ですが、チームの為に受け入れました。 腐らずにまたレースに出れる様準備して行きたいと思います。 そしてファンの皆様に本当に申し訳ありません」(原文のまま)

ケータハムの新首脳陣がさらなるスポンサーを必要とする中、資金をそれほど持ち込むことのできない可夢偉は以前「ペイドライバー」によって自分のシートが脅かされることになるのを嘆くとともに、最下位に沈むチームの状況を憂う発言を行っていた。

前戦ハンガリーGP(第11戦)が行われたハンガロリンクにおいて、ケータハムでは可夢偉が得意とする攻撃スタイルを発揮することができるだけのF1カーを与えてくれているかと尋ねられたとき、可夢偉は「まったくそうではありませんね!」と答え、次のように続けていた。

「まったく満足できるものではありません。ですが、いつかは本当にワクワクするようなレースができることを期待するしかありません。列車のようにただ連なって走るだけのレースは本当に楽しくありませんからね」

今回、ベルギーGPを欠場することが明らかとなった可夢偉は、自身のツイッターにレオナルド・ダ・ヴィンチの次のような言葉を引用。

『距離を置いて作品を見るのも良い方法だ。なぜなら、そうすると作品が小さく見える。そうなるとより多くのことが一目で把握できる。調和や均衡が欠けていないか、色合いはどうかといったことが良くわかるのだ』(原文のまま)

そして可夢偉は、次のように付け加えている。

「うん。距離を置いて考えてみよう!」

ケータハムがベルギーで可夢偉をはずしてロッテラーを走らせるという判断をしたことについては批判の声も多い。

ケータハムの元技術責任者であり、現在もトニー・フェルナンデス率いるケータハム・グループ市販車部門のチーフテクニカルオフィサーを務めるマイク・ガスコインは次のようにコメントしている。

「スパで可夢偉がケータハムから出走しないのは本当に残念だ」

かつてルノーやトヨタで技術責任者として活躍していたガスコインは次のように続けた。

「彼はケータハムが(チームランキングで)10位を目指すための唯一の希望だったが、これは(今回の判断)新首脳陣を象徴するものだ」

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