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解雇されたエンジン責任者がフェラーリに反撃

2014年08月18日(月)20:43 pm

フェラーリを解雇された元エンジン責任者のルカ・マルモリーニが、自分を追い出したフェラーリに対し反撃のコメントを行った。

一時、トヨタのエンジン責任者となった期間があったものの、フェラーリとイタリア人エンジニアであるマルモリーニの関係が始まったのは今から20年以上も前にさかのぼる。

だが、そのマルモリーニは、今年のフェラーリ不振の原因はパワーに劣るV6ターボエンジンのせいだという空気が漂っていた中、数週間前に今年の4月に新チーム代表に就任したマルコ・マティアッチによって解雇された。

マルモリーニは、フェラーリの専属ジャーナリストであるレオ・トゥッリーニに対し、自分のフェラーリ離脱に関して「意味のない論争」をするつもりはなかったとしながらも、次のように語った。

「残念ながら、マラネロには口をつぐむべきなのに、非難をすることを好む人たちがいるようだ。だから、私もそうした一連の兆発に対して反論するために口を開くことにしたよ」

■今季のエンジンはデザイナーの意向にそって造ったもの
マルモリーニはまず、「フェラーリの今季型車F14 Tの苦戦の原因はパワーユニットの失敗にある」という意見に対し、次のように強い反論を行った。

「フェラーリのような歴史を持つチームがエンジンの造り方を忘れてしまったとはね!」

「私はどんな批判も受け入れるよ。だが、マラネロにはターボやハイブリッドに関する仕事が分かる人間がいないなどとは言わないで欲しいね」

「誤解を解くために説明しよう。私は仲間たちとともにメルセデスやルノーよりも小さなサイズのエンジンを造った。それがクルマのプロジェクトマネジャーであったトンバジス氏(ニコラス・トンバジス/チーフデザイナー)の依頼だったからね」

「彼は、小さなラジエーターを持つ非常にコンパクトなパワーユニットが欲しいと言ったんだ。パワーが落ちる分は空力処理によって補えるし、それによってメルセデスやルノーのエンジンを積むクルマに対して有利になるんだとね」

「まさにその通りだったよ。実際のレースでは我々のパワーは劣っていた。だが、空力によってそれを補うことなどできなかった」

■新チーム代表とはほとんど話をしたこともなかった
さらにマルモリーニは、新チーム代表のマティアッチからクビを言い渡されたときのことを次のように語った。

「(マティアッチの就任以来)3か月の間に顔を合わせたのは2回だけだったよ。最初はあいさつをかわしたとき、そして次は彼が私をクビにするという文書をよこしたときだった」

「いいかい、私は誰のことも責めるつもりはないんだ。本当だよ。だが、フェラーリはそのレース部門をこれまで何の実績も示せていない特定の人たちを盲目的に信頼する経験不足の人物に委ねているんだ」

マルモリーニは、この「特定の人たち」とは、パット・フライ(エンジニアリングディレクター)とジェームス・アリソン(テクニカルディレクター)のことだと認めている。

「それに、フェラーリではこれまで多くの成功を支えてきた基盤を損なってしまうリスクを冒しているよ」

そう語ったマルモリーニは、次のように続けた。

「自分のことを言っているんじゃないんだ。私はすでに去った人間だからね」

「だが、まだ残っている優れたエンジニアたちが混乱させられていることを残念に思っている」

■ルノーへの移籍をにおわすマルモリーニ
さらに、マルモリーニは、やはり新たなパワーユニット時代の幕開けに苦戦を強いられているルノーへ加わるのではないかと報道されたことに関して次のように語った。

「もうすでにルノーと契約をすませたというのは本当じゃないよ」

そう主張したマルモリーニは、次のように付け加えている。

「実際のところ、現時点ではF1でのエンジン開発は凍結されているし、そうしたいとはあまり思わないんだ。でも、正直に言えばF1には魅力があるし、ひと月もすれば気が変わるかもしれないね」

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