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ウィリアムズとロータスの明暗、そしてマルドナード

2014年08月14日(木)8:01 am

2014年F1前半戦をノーポイントで終えたパストール・マルドナード(ロータス)。だが彼は、2015年も同チームに残ることにした。

去年まで3年所属したウィリアムズは、ドン底であえいでいた。そこで、支援を受けるPDVSA(ベネズエラ国営石油)の金をロータスに持ち込もうと決めたマルドナードだった。

まさに両チームの運命が逆転した瞬間だ。

2014年以降、F1はドライバーに固定ゼッケンを割りふることになった。そこで、マルドナードは13番を選ぶ。本人に悔いはない。

「こちら(ロータス)の方が居心地はいいね」と、29才のマルドナード。チームが今季ここまで上げた8ポイントは、すべて彼の新チームメート、ロマン・グロージャンによるものだ。

「ウィリアムズが悪かったわけじゃない」と、イタリア『Tuttosport(トゥットスポルト)』に語るマルドナード。「最初の2年はとにかく楽しかった。いろいろと学んだし、いくつか好成績も上げたよ」

「ところが去年、環境を変える必要性を感じたんだ。新たな挑戦を求めたくてね。今年は2013年ほど悪くはならないだろうと思ったが、チーム状況が改善する兆しは感じられなかった」

ルノーからメルセデスへとエンジンを替えたことがウィリアムズで最大の変化だと、マルドナードは今年、繰り返し指摘している。メルセデスは、今季F1で随一のパワーだ。

マルドナードはいう。「かつてロータスはF1で最高のマシンを製造していた。今年もマシンは上々だが、あまりいい戦いをしていない。違いといえば、やはりメルセデスのエンジンだ」

ウィリアムズ副代表のクレア・ウィリアムズはおろか新技術責任者のパット・シモンズさえ、それを完全には否定しない。

「メルセデスのパワーが今年、活躍の一端を担っているのはもちろんです」と、ウィリアムズ。「確かにファクターのひとつですよ」

シモンズは、ドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌に、次のように話す。「もちろんメルセデスのエンジンには大いに助けられている」

「でも昨年を忘れてはならない。われわれは世界チャンピオン(レッドブル)と同じルノーのエンジンを積んでいたのだ。その結果が選手権9位だよ。そして今年もまた、恐らく新たに世界チャンピオンになるであろうチーム(メルセデスAMG)と同じエンジンを使用しながら、成績ははるかに上がっている」

「メルセデス系のチームで2番めに速いのが、われわれだ」と、シモンズ。「ファクトリーチーム(メルセデスAMG)から、さほど遅れをとっていない」

ウィリアムズにおいて2014年最大の違いは、「自信」だとシモンズはいう。

「私が加入した当時、チームは自信を失っていた。その結果、あれほどのパニックが引き起こされたのだ」

「去年、だれかが私にいったよ。ピットストップ練習なんかムダだってね。それほどマシンは酷かった。あんな(態度)のチームでは、どうしようもない。今われわれのピットストップを見てみたまえ。平均的に見てもすばらしい」

「なぜなら、みんな自信を取り戻したからだ。今チームには、まったく違う雰囲気がみなぎっているよ」と、シモンズは証言する。

マルドナードにも彼なりの自信がある、ロータスはこれまでの流れを変えられると。

「ほとんどの問題は信頼性に起因している」と、マルドナード。

「マシンの持てる力を出しきろうと手探りすべきなのに、コースを跳ねるように走りながらでは、完走することしか考えられない。いいアプローチとはいえないよ」

「再起するには、時に一歩下がることも必要だ。今は調子がどんどん上がっている」

「だいぶいい感じになってきた」と、マルドナードは力を込める。「もともと昔から最高のチームだった。これから将来に向けてよくなるのは間違いないね」

ロータスの副代表フェデリコ・ガスタルディも、マルドナードと同意見だ。問題はルノー・エンジンだったが、それだけではないとガスタルディはいう。

「われわれはまだ、エンジンを把握できていないと思う」と白状するガスタルディ。「問題は(ロータスの本拠地)エンストン側にもある。シャシーや空力とエンジンのマッチングだ」

「改善しようと努力しているが、いかんせん進行にとても時間がかかるんだ」

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