今季はメルセデスAMGの後塵(こうじん)を拝すこととなった4年連続F1チャンピオンチームのレッドブルだが、来季に向けてはさらにもうひとつの岐路に立たされた状況ともなっている。
天才F1カー設計者との評価もあるテクニカルディレクターのエイドリアン・ニューイが、かつてないほどのルールでしばられた現在のF1に不満を抱え、来季以降は第一線から退く決意をしたためだ。
レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、この件に関してイタリアの『Autosprint(オートスプリント)』に次のように語った。
「エイドリアンがこれまでよりも少しかかわり方を軽減したいと望んでいるのは秘密でも何でもないよ。だからと言って、我々は別のテクニカルディレクターを探すつもりはないんだ」
「彼は今後も技術的な判断には深くかかわり続けるし、設計や開発の方向性に関して手助けもしてくれることになっている」
「我々にはかなり強力な技術チームがある。だから、エイドリアンの下で働いているスタッフを育成したり、昇進させたりすることで、もっと彼らに責任のある仕事を任せることもできるんだ」
そう語ったホーナーは、次のように締めくくった。
「我々は彼(ニューイ)が設計の第一線から身を引くことは分かっていたし、そのための準備も整えてきているんだ。この状況に対応しながら、全員の利益に結びつくような方法でね」