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現役最年少ドライバーがF1への批判に反論

2014年08月08日(金)17:01 pm

現役最年少F1ドライバーのダニール・クビアト(トロロッソ)が、今のF1ドライバーにはかつてのスタードライバーたちのようなヒーローがいないとの指摘に反論を行った。

レースでは観客席に空席が目立ち、テレビ視聴率も下降線をたどっている今季、その原因のひとつには、現在はかつてのジャック・ビルヌーブ、アイルトン・セナ、そしてナイジェル・マンセルのようにカリスマ性と勇気を持ち合わせていたドライバーがいないせいだと指摘する声も少なくない。

例えば、かつて7度F1チャンピオンに輝いた偉大なドライバーであったミハエル・シューマッハのマネジャーを務めていたことで知られるウィリー・ウェバーは今週、今日のF1ドライバーたちは「腰抜け」ばかりだとの発言を行っている。

だが、今年19歳でF1デビューを果たし、4月の末に20歳を迎えたロシア人ドライバーのクビアトは、現在のF1ドライバーたちに勇気が欠けていると言うのは間違いだと考えている。

■F1は今でも危険で勇気のいるスポーツ
「僕に言わせれば、F1は今でも勇気が最も必要とされるスポーツだよ」

イタリアの『Omnicorse(オムニコルセ)』にそう語ったクビアトは、次のように続けた。

「現在のドライバーはもはや危険に立ち向かう勇気を持ち合わせていないし、80年代に比べると本当の男じゃないなんて意見は聞きたくもないね」

「そんなのデタラメだよ」

「ブレーキがきかず、100メートルのアスファルト(エスケープゾーン)がなければ、時速340kmでウォールに激突してしまうんだ」と声を上げるクビアト。

「F1から危険性を消し去ることなどできないんだ。でもサーキットやクルマの安全性を改善するために可能な限りの努力は行うべきだ」

■現在のF1ではエンジニアの役割が重要
ウェバーは、シューマッハやセナ、そしてビルヌーブといったドライバーたちは、無線でエンジニアに助けを求めたりなどせず「自分でコースの上で答えを見つけていた」とも語っており、この意見に賛同する声も多く聞かれている。

クビアトはこれに対しても反論している。

「新レギュレーションのもとではエンジニアの役割がすごく重要なんだ。電気エネルギーをドライバーだけでコントロールすることはできないからね」

「もうひとつはっきりさせておこう」とクビアト。

「もし追い抜きのチャンスがあれば、ドライバーはいつだってそれに挑戦すべきだ。エンジニアがやめておけとか待てと言うような状況などありえない」

「でも同時に、僕たちは燃料の消費量やタイヤの摩耗にも対応しなくてはならないんだ」

■今のF1は見どころも多く意義も大きい
クビアトはさらに、現在のF1は退屈だとの意見に対しても次のように反論した。

「みんなが何を期待しているのか分からないよ。僕が見る限り、ショーとしてのレースはまったく損なわれていないと言えるよ」

「確かに、面白いレースもあればそうでもないときもあるだろう。でも、2000年台のレースを振り返れば、1人のドライバーによって支配されていたじゃないか。それのどこに見応えがあったんだい?」

「多分、みんなは僕たちが行ったルール変更がよく理解できていないんだと思う。でも、僕はこの方向性は正しいものだと確信しているよ」

「市販車の進歩を促進するための実験的な手法に替えるのは勇気のいることだったはずだ」とクビアトは主張した。

最後に、F1を直ちに改善するとすればそれに必要なルール変更はどういうものだと思うか、と質問されたクビアトは「もう少し様子を見たいな」と答えると、次のように付け加えた。

「僕としては、今のパッケージはそんなに悪くないと思うからね」

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