昨年まで8年にわたってフェラーリに在籍していたフェリペ・マッサ(ウィリアムズ)が、フェラーリは、過去数年にわたって低迷が続いていたものの今季復活を遂げたウィリアムズに学ぶことができるかもしれないと語った。
ライバルメーカーたちに対して明らかにパワーで優位に立つメルセデスエンジンに助けられているところも大きいが、それでもウィリアムズが今季驚くべき復調ぶりを示していることには疑いようがない。
昨年はチーム別ランキングで11チーム中9位に沈んでいたウィリアムズだが、今年は現時点で4番手につけており、実質的にフェラーリと3位争いを繰り広げている。最近では予選では常に最前列争いを繰り広げ、表彰台の常連にもなっている。
今季がスタートしたばかりのころは、ウィリアムズは単に高出力のメルセデスエンジンの恩恵を受けているだけだと考えられていた。だが、今ではウィリアムズの今季型車であるFW36は、F1ハンガリーGP(第11戦)が行われたハンガロリンクのような曲がりくねったサーキットでも強さを発揮できることを証明してみせている。
マッサは、イタリアの『Autosprint(オートスプリント)』誌の最新号に掲載されたインタビュー記事の中で次のように語っている。
「今では、僕たちはほかの部分でも競争力がある」
「少し時間はかかったけれど、僕たちはそれをやり遂げた。そして、改善の余地はまだたくさんあるよ」
マッサ自身は、現在非常に波に乗っているチームメートのバルテリ・ボッタスとの戦いにおいては後手に回っている。しかし、マッサに言わせればそれは単に運がどちらに向いているかの問題だという。
「重要なことは、僕は競争力のあるクルマを手にしているし、自分自身にも競争力があるということだ。僕はそのことを大切にしているよ」とマッサは主張した。
さらに、もし今後フェラーリから呼び戻されることがあればフェラーリに対して何か助言できることはあるか、との質問を受けたマッサは「あるよ。でも、言うつもりはないけどね」と答えると、次のように続けた。
「そんなことが起こるかどうかは分からないけれど、もしいつかまたチームを変わらなくてはならないことがあれば、ウィリアムズで得た経験はすべて携えて行くつもりだよ」
そのフェラーリに関しては、今年4月にチーム代表に就任したマルコ・マティアッチが、夏休みを迎えるにあたって今後チームが集中して取り組むべき4つの重要なエリアを特定した、とイタリアの大手スポーツ紙である『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』が報じている。
その4つとは、V6ターボによるパワーユニット、開発対応時間の短縮、エンジンとシャシーの協調性、そして信頼性とパフォーマンスのバランスをうまくとることだという。