マクラーレンのレーシングディレクターであるエリック・ブーリエが、今季のマクラーレンのF1カーは、2015年から始まる新たなマクラーレン-ホンダ時代に向けた「動く実験室」だと語った。
マクラーレンでは、今年に入ってから前チーム代表であったマーティン・ウィットマーシュを更迭。その後任として実質的なチーム代表の座についたのが、ロータスの前チーム代表であったブーリエだ。
しかし、イギリスの名門チームであるマクラーレンは今季も低空飛行が続いており、現時点ではチーム別ランキング6位にとどまっている。
そのマクラーレンでは、これまで長期にわたってパートナー関係にあったメルセデスと今シーズン限りで決別することになっている。一時期はメルセデスからワークスエンジンの供給を受けていたマクラーレンだが、メルセデスが自らのワークスチームを保有した2010年以降については単なる顧客チームのひとつでしかない。
事実、現時点ではメルセデスAMGはもちろんのこと、同じメルセデスエンジンを搭載するウィリアムズやフォース・インディアにも先行を許しており、小規模なプライベートチームであるフォース・インディアと5位争いをしている状況だ。
だが、ブーリエは、そうした状況にあってもマクラーレンでは今季型車MP4-29の開発を止めることはないと次のように語った。
「我々は、今年のクルマは来シーズンに向けた動く実験室だととらえているんだ」
「来季はエンジンパートナーが変わるにしろ、ルールによればエンジンとトランスミッションの配置位置は来年も変わらない。だから、今年我々が取り組んでいることには大きな意味があるんだ」
『Speedweek(スピードウィーク)』にそう語ったブーリエは、次のように付け加えた。
「つまり、今年行う改良は、そのほとんどが来季のクルマの設計に直接的な影響を及ぼすことになるからね」