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F1ボス裁判、今日(現地時間5日)にも和解成立か

2014年08月05日(火)16:25 pm

F1最高責任者のバーニー・エクレストンは、今日にも汚職容疑の裁判から解放され、全精力をF1に注ぐことができる立場に戻ることになりそうだ。

エクレストンは元銀行家のゲルハルト・グリブコウスキーに賄賂(わいろ)を送った容疑により、最近ではほとんどの週の前半を裁判のために費やしていた。

この裁判で有罪判決が下されれば、F1最高権威の座から失墜するばかりか、投獄される可能性が高かった。だが、最近の報道では、ミュンヘンの検察当局との間で1億ドル(約103億円)の和解金支払いに合意したことにより、起訴はすべて取り下げられることになると伝えられている。

ドイツの『Die Welt(ディー・ヴェルト)』紙は、それに関して「二流の無罪放免」だと表現している。だが、F1のオーナー企業であるCVC(キャピタルパートナーズ)のドナルド・マッケンジー会長や、そのほかのF1関係者たちにとってはそれで十分に満足できるはずだ。

■5日(火)にも和解成立の見通し
エクレストンの和解について、裁判所は審理が再開されることになっている現地時間の5日(火)にもそれを受理することになると考えられている。

エクレストン自身は、『Bild(ビルト)』紙に次のように語った。

「どういう結論になるかは分からないが、いずれにしても(5日に)裁判所には行くよ」

エクレストンの弁護を担当するスベン・トーマスは、今回の和解決着に自信があるようだ。トーマスはF1ビジネス記者としてしられるクリスチャン・シルトを通じて『Independent(インデペンデント)』紙に次のように述べた。

「我々は和解に持ち込むことができると思っている」

■和解成立なら今後ドイツで再起訴はない
トーマスは、今回の和解調停は「有罪判決は行われず、推定無罪として扱われるものとなる。それが私が交渉していた条件だった」としている。

さらにトーマスは、今回の調停により「今後この件に関する裁判は行われなくなる。誰も再びこの件に関する訴訟を起こすことはできない。それには、訴訟を行うことができないというような文言によって拘束力が持たされる」と付け加えている。

また、トーマスは、エクレストンが収める1億ドルの和解金は、バイエルン州にF1サーキットを建設するために用いられることになるだろうと示唆している。

「私はこう提案するつもりだ。彼らは素晴らしいサーキットを造らなければならないとね」とトーマスは付け加えた。

■現行のドイツ法には国内でも批判が
和解金を支払うことで刑事裁判を示談に持ち込めるというのはドイツの法律のユニークなところだ。もちろん、この法律についてはドイツ国内でも批判がある。

前連邦司法大臣であるザビーネ・ロイトイサー-シュナレンベルガーは、無罪を金で買い取ろうとするエクレストンの考えは「恥知らず」なものであり、「後味の悪さ」を残すものだとコメント。

このエクレストンの和解のニュースを最初に報じた『Suddeutsche Zeitung(ズードイチュ・ツァイトゥング)』紙も、今回の和解は「道理に反する」ものであり、「真実と正義も金で買えることを示す」ものとなってしまうと主張している。

■和解は検察側が持ちかけたものだとエクレストン
だが、エクレストンは、今回の和解に関しては自分から言い出したのではなく、検察側から持ちかけられたことだとこれに反論している。

エクレストンはシルト記者に対し、検察側が「それについて話をしたくないかね?」と持ちかけてきたことが「その始まりだった」と語り、次のように付け加えた。

「我々が彼らに頼んだのではない。彼らが我々に頼んできたんだ」

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