F1オーストラリアGPの開催契約が2020年まで正式に延長された。
今季、4年連続F1チャンピオンであるチームメートのセバスチャン・ベッテル(レッドブル)をしのぐ活躍を見せているオーストラリア出身のダニエル・リカルドはこのニュースを受け、『Herald Sun(ヘラルド・サン)』に対し「これから何度も母国レースが行われることになったのはすごくうれしいよ」と語った。
F1の開催に関しては毎年5,000万ドル(約51億円)以上の損失を抱えるメルボルンにとって、来年で現在のF1開催契約が満了した後も引き続きF1を開催できるかどうかについて大きな不安を抱えていた。主催者側もF1の商業権を取り仕切るバーニー・エクレストンからもっとよい条件が提示されないと存続が難しくなるとの警告めいた発言を行っていた。
だが、このほど正式に、アルバート・パーク・サーキットでのF1開催について、2016年から2020年に及ぶ新たな5年契約が締結されたことが発表された。
ビクトリア州のデニス・ナプシン首相は、今回の発表にあたり、次のように語った。
「オーストラリアGP主催者のロン・ウォーカーに対し、ビクトリア州にとって最善の契約を結ぶための厳しい交渉を成し遂げたことにお祝いを述べたい」
ナプシン首相は、メディアに対し、新たな契約にはメルボルンが今後も開幕戦として開催されることや、ナイトレースとしては開催されないということに関する条項が含まれていると付け加えた。
『Herald Sun(ヘラルド・サン)』はさらに、エクレストンは主催者に対し、よく知られた「メルボルン」というブランドを掲示することや、サポートレースとしてV8スーパーカーレースの実施、企業の協賛売り上げの確保などについても、これまで通り認めたと報じている。
地元オーストラリアでは、巨額の損失を生むF1レースは納税者にとってはあまりに負担が大きい存在ではないかとする声もあるが、これに対しナプシン首相は地元のラジオ局『3AW』に次のように述べた。
「我々はビクトリアの人々にとって素晴らしい契約を結ぶことができた。それは現在の契約よりも有利なものだ」
「新たな契約も現在の契約と同じ期間となり、シーズン開幕戦として行われることが記載されている。毎年3月に行われることになる」