このままでは、次のF1カレンダーを巡って各F1チームの首脳とバーニー・エクレストンが衝突する。
2015年にメキシコGPが日程に加わり、その一年後にはアゼルバイジャンと米ニュージャージーも追加されそうなのだ。
F1カレンダーは、コンコルド協定によって年間20戦に制限されている。今年こそ全19戦で楽々クリアしているが、いずれ22戦へと膨れ上がる可能性がある。
F1の商業権を保有する者はまだいい。レースが多ければ多いほど収入も増すからだ。
ところがドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌によれば、チームが参戦コストをソロバン勘定してみると、21戦が予算の上限だ。
「あまりに多くのレースでパンパンにしないよう、注意する必要があると思います」と語るのは、ザウバーのチーム代表モニシャ・カルテンボーン。
「レースの増加がスタッフにどれだけ負担となるか、目に見えています。どうせまた、あれこれリストラしなければならないに決まっているから、レースを増やそうとする前に、まずは慎重になるべきです」
おそらくカルテンボーンは、レースが増えるならチームの仕組みを変えなければならないといっているのだ。例えば、あるレース数を超えたら、人員の輪番制導入やロジスティクスの再考が必要となりそうだ。
「これはもう火を見るより明らかだ」と、フェラーリのチーム代表マルコ・マティアッチもいう。「レース数の増加で選手権を拡大するなら、われわれは一層、投資を迫られる。話し合わないわけにはいかない」