7月31日(木)に予定されていたF1チーム代表たちによる「F1人気向上のためのワーキング・グループ」の主役の1人となるだろうと思われていたのがフォース・インディアのチーム代表であるビジェイ・マリヤだった。
■【ハンガリーGP後】F1ポイントランキング(ドライバーズ/チーム)
かつては億万長者とも呼ばれたインド出身のマリヤだが、自身が起こしたキングフィッシャー航空の経営が暗礁に乗り上げてからは、本業である酒造会社ユナイテッド・スピリッツの資産に手を付けざるを得ない状況に置かれている。
マリヤは、F1チーム代表らを中心メンバーとするF1の「人気向上」会議に参加すると手を上げたものの、実際にフォース・インディアから31日(木)に行われるはずであった会議に出席することになっていたのは副代表のボブ・ファーンリーのほうだった。
それは、マリヤはインドにおいてキングフィッシャーの税金未納問題に関する刑事事件裁判への出廷が要請されており、そちらを優先せざるを得ない状況となっていたためだ。
インドのメディアが報じたところによれば、靴も含め、全身白ずくめの衣装で法廷に立ったマリヤには保釈が認められたという。
インドでは、フォース・インディアの共同オーナーであり、タイトルスポンサーでもあるサハラのスブラタ・ロイ・サハラ会長も今年3月以降詐欺容疑でデリーの刑務所に身柄を拘束されており、保釈を求め続けているものの、まだ認められていない。
報道によれば、66歳のロイ・サハラに関しては、ニューヨークのプラザホテルやロンドンにあるグロブナーハウスホテルなどを含む資産の売却交渉ができるよう、会議室やインターネットの接続環境などが与えられており、こうした状況で保釈が認められるのは非常に難しいだろうという。
経営陣がこうした苦境を迎えてはいるものの、フォース・インディアは今季かなり順調なレースを展開している。
メルセデスエンジンを搭載するフォース・インディアはシーズン前半が終了した時点でチーム別ランキングではウィリアムズに次ぐ5番手となっている。そして、イギリスが誇る名門チームであるマクラーレンよりも上に位置しているのだ。
マリヤは今週、F1公式サイトによるインタビューの中で次のように語った。
「ああ、過去2、3か月かにわたって、いくつかの歴史的に名のあるチームよりも上にいるというのはかなりすごいことだったよ」