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ルノーエンジンのワークス化を進めるレッドブル。邪魔者はロータス

2014年07月29日(火)9:12 am

ロータスが来季からルノーエンジンに替えてメルセデス製エンジンの供給を受けることを計画しているとうわさされているが、これに関してはその背後にレッドブルの圧力もあることは明らかだ。

ロータスでは昨年まで2年連続でチーム別ランキング4位となっていたが、今季はエンジンメーカーであるルノーが供給するパワーユニットのパフォーマンスと信頼性欠如により、現在はランキング8番手に低迷している。そのロータスは、来季からメルセデスエンジンへの乗り換えを目指していると伝えられているが、これは単にロータスがルノーを見限ったというような単純な話ではなさそうだ。

事実、かつてはルノーのワークスチームであった時期もあるエンストンに本部を置くロータスは、ルノーと密接な関係を持つ石油会社トタルの支援を受けるなど、本来ルノーとの関係を絶ちづらいという背景もある。それでも、メルセデスエンジンへの乗り換えを進めなければならない背景にはもっと複雑な背景がある。

同じルノーエンジンで昨年まで4年連続でF1チャンピオンチームとなったレッドブルも、今季はルノー製パワーユニットの力不足に苦戦を強いられている。レッドブルでは、ルノーに対して大きなプレッシャーをかけるという対応を進めてきている。

それもあってだろう、ルノーでは最近トップマネジメントに大きな改革のメスを入れた。2015年シーズン以降を視野に入れ、ケータハムからルノーへと復帰したシリル・アビテブールを核とする新体制構築に着手したのだ。

そして、今後レッドブルにとってカギとなるのが、現在のルノーエンジン使用チームの中からロータスを追い出すことだろう。

レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは最近、ルノーが今季レッドブルとロータスの要求にたいして公平に対応しようとしてきたことが間違いだったのだと語っていた。

マルコに言わせれば、ルノーがロータスに対して「異なるバージョンの」V6パワーユニットを提供しようとしているために、「ルノーの多くの人材がそれにしばられ、開発の進展を阻害している」というのだ。

ロータスの来季以降のエンジン変更についてはまだ正式に発表されていない。だが、それは間違いなくレッドブルの計画の一部をなすものだ。

レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、F1ハンガリーGP(第11戦)が開催された先週末のハンガロリンクでF1公式サイトによるインタビューに対して次のように語った。

「我々はいくつかいい見通しを持っている。ルノーの最近管理体制の変更以降、我々は彼らとより密接に作業を進めている」

「我々とルノーの間には非常によい共働関係があるし、シリルは素晴らしい仕事をしていると思っている」

「我々は現在の関係をさらに深めようとしているし、ワークスチーム同様の取り組みがなされようとしているよ」

もし来季、現在のルノーのカスタマーエンジン供給を受けているチームからロータスがいなくなれば、ルノーとしては2015年からは明確にレッドブル優先の戦略を遂行することができるとともに、レッドブルの関連チームだけにエンジンの供給を行えばよいということになる。それはレッドブルのジュニアチームであるトロロッソと、レッドブルからギアボックスの供給を受けているケータハムだけだ。

「そうなれば、(ルノーは)レッドブル・レーシングに完全に集中することができ、カスタマーエンジンをトロロッソに支給するだけでいい」

そう続けたホーナーは、次のように付け加えた。

「それは我々にとっても有益だし、ルノーにとっても意味のあることだろう」

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