メルセデスAMGのルイス・ハミルトンが、先週末に開催されたF1ハンガリーGP(第11戦)の決勝でチームから出された指示を無視したことに対する批判の声に反論した。
ハミルトンのクルマがハンガリーGP予選で出火してピットレーンスタートとなることが決まった後、メルセデスAMGの非常勤会長であるニキ・ラウダはピザをおごってハミルトンを元気づけていた。
そのラウダはいつものように明快に、ハミルトンが今回のチームオーダーを無視したのは「正しい」ことであり、これに関してはメルセデスAMGのほうが「間違っていた」と主張している。
ラウダは、『Bild(ビルト)』に次のように語った。
「ルイスは、シーズンが始まる前に我々が彼らにはお互いに自由に戦わせると言っていたことを覚えていたからその指示を無視したんだ」
「だから、彼は正しいことをやったまでだ」
だが、その意見に誰もが納得しているわけではない。
ドイツの主要日刊紙である『Welt(ヴェルト)』は、メルセデスAMGは「ハミルトンのエゴ」の犠牲者だと次のように論評した。
「ハミルトンが指示に従わなかったことで、チーム首脳陣のリーダーシップの権威が弱められたとともに、チームメートのニコ・ロズベルグからも多少なりとも上の順位で終えるチャンスを奪った」
これに対し、2008年のF1チャンピオンであるハミルトンは、その指摘は的を射ていないと28日(月)に次のように反論した。
「これは権威なんかの問題じゃないんだ。僕は自分らしいレースをするために雇われているんだし、徹底的にレースをしているだけだよ」
メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフとロズベルグは、ハンガリーGP決勝後に、ハミルトンが指示に従わなかったことでメルセデスAMGが優勝するチャンスを失うことになったと語っていた。
だが、ハミルトンはこれについてもそういうふうには考えていない。
「僕はニコの優勝を犠牲にしたりはしていないよ。僕は彼と戦っていたんだからね! なぜ僕が彼のことを気にかけてやらなきゃならないんだい?」
「僕は自分が冷酷なことをしていたなんて思っていないし、頭に血が上っていたわけでもない。僕はただ自分の仕事をしていただけさ」
そう語ったハミルトンは、次のように結んでいる。
「僕は上を目指してベストを尽くしていただけだし、僕に彼を助ける義務があったなんて思ってもいないよ」