F1第11戦ハンガリーGP予選で3番手に飛び込んだ僚友バルテリ・ボッタス(ウィリアムズ)の後方、6番手から決勝をスタートするフェリペ・マッサ。その差はマシンの優劣だとマッサが主張している。
第8戦オーストリアGPから3戦連続で表彰台に上がっているボッタスは、今まさにF1で伸びざかりの超新星だ。ハンガリーでも勢いを保って、予選2列めから今日の決勝をスタートする。
かつてフェラーリのスター選手だったマッサは、ここハンガロリンクの予選でボッタスのほぼ1秒落ちに沈んだ。
だがマッサは、ハンガリーGPの予選結果でふたりを比較するのはフェアではないという。元よりマッサには不運なアクシデントが多い。先週末の第10戦ドイツGPでもレース開始早々、ケビン・マグヌッセン(マクラーレン)に当てられマシンを横転させている。
ドイツ『Auto Bild Motorsport(アウト・ビルド・モートアシュポルト)』誌でマッサは、夏の一斉休暇直前でスペアパーツの在庫が心細い中、一連の事故が追い打ちをかけていると打ち明けた。
例えば今週末のハンガロリンクで彼は、第6戦モナコGP以前に製造されたフロアを使っているのだ。
「計算上、それだけでコンマ2秒は損をしている」と、マッサはいう。「マシン後部が非常に不安定だ。その結果、僕も運転に自信が持てない」
その反面、今回持ち込んだ改良パーツが威力を発揮している。タイトで曲がりくねったサーキットにおいてもFW36が競争力を保っていることにウィリアムズはご満悦だ。メルセデスのエンジンも。ここではいつもの優位が目立たない。
ちかぢかボッタスの初優勝は見られるだろうか。本人は多くを語らないが、ウィリアムズの技術主任パット・シモンズは、24才のフィンランド人ドライバーから、とてつもない将来性を感じるという。
「いろんな意味でバルテリは(フェルナンド)アロンソを思い起こさせる」と、シモンズは『Auto Bild Motorsport(アウト・ビルド・モートアシュポルト)』に語る。
「彼(ボッタス)は速い。それにほとんどミスを犯さない。おまけに信じられないほど聡明なんだ」
「もし彼が今季勝てたら、まさにフェルナンド(アロンソ)の再来となるだろう」と、シモンズはいう。思い起こしてほしい。アロンソはF1で2年めのシーズンとなった2003年、ルノー(現ロータス)を駆って第13戦ハンガリーGPで初優勝を飾っている。