フェラーリは今や「全精力」を2015年に傾けている。これはエースドライバー、フェルナンド・アロンソの証言だ。
F1第11戦ハンガリーGP開幕直前、24日(木)に語ったものだが、アロンソのコメントは技術責任者ジェームス・アリソンのそれと矛盾する。
アリソンは先週、こんなことをいっていたのだ。「両方のプロジェクトで仕事は手いっぱいだ。2014年型マシンのラップタイムを縮めようと、今も多くの努力を重ねている」
だがイタリア『Autosprint(オートスプリント)』誌に掲載されたアロンソによるハンガリーでのコメントは、以下のとおりだ。「チームは持てる力をすべて新車に注いでいる」
「これは2014年を犠牲にする苦渋の決断だ。しかし今季ここへ至って最終的に2015年のことを考えるのは、正しいことだ」
アロンソは自らのドライビングにも触れている。いわく、フェラーリF14-Tが競争力に欠けるなか、ここまでまれにみる好調ぶりだそうだ。
「去年もよかったんだ」と、スペイン『Marca(マルカ)』紙に語るアロンソ。「でも今年は、2012年並みにギアが一段上がった気がする。今は絶好調だった2012年と同じレベルにいる」
「同じクルマを走らせる僚友(キミ・ライコネン)と比べても、これほど気分が乗るなんてほんとうに珍しい」と、不振のライコネンを引き合いに出すアロンソ。
「F1が新規則になってから、僕はほぼ毎日、ペドロ(デ・ラ・ロサ:テストドライバー)と共同でシミュレーターに乗っている。かつてないほどイタリアで時間を過ごし、チームと一緒にいる」
ライコネンについてアロンソは、ドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌にこんなこともいっている。「彼はいったいどうしちゃったんだろうね」
チームメート批判と取れなくもないが、同じく24日(木)、フェラーリ公式サイトに載ったアロンソの発言によると、ライコネンとは密接に協力して作業をしているという。
「もちろんキミと僕は二人でいろいろ仕事をしている。今年はどの会議も時間がえらく長いんだ。レース後に多くのことがらを整理しているのでね」
「ただしフェリペ(マッサ)や他のチームメートとの作業に比べて、あまり大きな違いはないよ」