F1に残れるか、スーティル
エイドリアン・スーティル（ザウバー）は24日（木）、F1残留の固い意思を表明した。
先日のF1第10戦ドイツGP決勝では最終コーナー付近でスピン、コース上でマシンが動かなくなり戦列を去ったスーティル。今季ザウバーの不振を象徴するようなシーンだったが、同選手についてのうわさは一週間前から流れていた。
ことの起こりはチーム代表のモニシャ・カルテンボーン。スーティルとエステバン・グティエレスの働きについて質問された彼女は、次のように答えたのだ。「チームのパフォーマンスに満足していません」
とはいってもメキシコ人ドライバーのグティエレスは心配なさそうだ。彼は同国の通信会社テルメクスの支援を受けている。そのうえ社を所有するカルロス・スリムは、2015年カレンダーでF1復帰が決まったばかりのメキシコGPと密接なつながりがある。
もともとメキシコは2014年カレンダーに組まれていたが、もうひとりのメキシコ人セルジオ・ペレス（フォース・インディア）は24日（木）、ハンガリーで次のように来年開催を明言した。
「開催については何の疑いもないよ」
いっぽうスーティルだが、チーム内で彼の立場はグティエレスほど強くない。というのも、ザウバーの控えドライバー、ギド・ヴァン・デル・ガルデを支えるアパレルブランド、マグレガーが「数百万ドル」のスポンサー料をチラつかせてスーティルのシートを狙っているらしいのだ。
もしドライバー交代が実現すれば、それはおそらく2014年シーズン中とみられる。早ければ今週末のF1第11戦ハンガリーGP明けの夏休みにも決まりそうだ。
それに、スーティルのマネージャー、マンフレート・ツィマーマンがケータハムのモーターホームにいるところを目撃されると、うわさはさらに加速した。
代わりのシートを探しにスパイカー（現フォース・インディア）時代のボス、コリン・コレスを頼ったのだろうか？
持参金の額ではグティエレスに負けるスーティルだが、いくらかの後ろ盾はある。額はもちろん小林可夢偉（ケータハム）を上回る。
一週間前、可夢偉は次のように話していた。「金を持ち込むことはできません。金でドライバーに負けるのは仕方がない。残念ながら、それがF1です」
スーティルは24日（木）にハンガリーで、意地でもF1に残ると次のようにコメントした。
「末永くF1にいるつもりだ。僕の顔を見飽きたら、ごめんね」と力強く語るスーティル。「他に質問は？」
