大規模チームでありながら2年連続で不振を極めているマクラーレン。今季もすでに折り返し点、改革は始まったばかりだ。
リストラの一端は、さっそくF1第10戦ドイツGPに目に見える形で現れた。自らの将来もグレーで評価見直しの対象となっているジェンソン・バトンの担当エンジニアが代わった。
トム・スタラードという名にピンと来るだろうか。北京五輪のボート競技イギリス代表選手で銀メダルを獲得した、あのスタラードがデイブ・ロブソンに代わってバトン付きのエンジニアになったのだ。ロブソンは今後、英ウォーキングの工場勤務となる。
「別に人々を追い払おうっていうんじゃない」と話すのは、バトンだ。「適材適所さ。気持ちをリフレッシュしてもらうんだよ」
「今から雇われようって人もいるんだ。変化が必要な時だと思う」
ただし、経験豊富なイギリス人ドライバーの彼は、マクラーレンの人事異動と無関係でありたいと願っている。なぜなら来年からホンダのワークス待遇を受け、新たな時代が始まるからだ。
バトンのシートには、超一線級のドライバーが関連付けられている。例えば彼の元チームメートだったルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)、それと2007年に一年だけ在籍したフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)だ。
ハミルトンに関してはうわさが流れている。最近、高額ギャラで契約を更改したばかりのニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)がゼッケン1番を付けることになれば、2015年は、ひょっとすると同じチームで走りたくないのではといったものだ。
うわさについてハミルトンはドイツGP会場のホッケンハイムで、次のようにことばをにごしている。
「このチーム(メルセデスAMG)にいられてすごく幸せだ。何かあればチーム首脳と話し合うのが自然な流れじゃないかと思う」と、ハミルトン。
「どこか他のチームにいる自分を想像するのは、かなり難しいね。とはいえ、将来何が起こるか分からないからなあ」
もう一方のアロンソだが、彼は毎年のように「F1ストーブリーグ」の中心的存在として有名だ。フェラーリに移籍以来ちっともタイトルに手が届かず、溜まりに溜まった不満が噴出を始めただけに、気なるところ。
彼は先週、シミュレータのテストのために本拠地マラネロを訪れた。だが、ひょっとしたらマルコ・マティアッチやルカ・ディ・モンテゼモーロと会って将来を話し合ったかもしれない。
「マティアッチや会長(モンテゼモーロ)とは毎日、話をしているよ」と、17日(木)に話したアロンソ。「これじゃちっともニュースねたにならないだろ?」
「2003年くらいから、毎年7月になると決まってこういうことが起きる。契約や署名はどうした、延長したかって同じ質問の繰り返しさ」
「どんな話題であれ、僕はどのチームとも話をしていない。そんなことは今、重要視していないんだ」