メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフが、ルイス・ハミルトンがニコ・ロズベルグの国籍について行った発言は、単なる冗談だったと弁明した。
前戦イギリスGP(第9戦)で、母国のレースファンたちの前で優勝を飾ったイギリス人ドライバーのハミルトンは、チームメートのロズベルグがギアボックスのトラブルでリタイアとなったことで、今季のタイトル争いに向けたポイント差をわずか4ポイントにまで縮めることに成功した。
その後ハミルトンは、次戦のドイツGP(20日決勝)はロズベルグの「本当のホームレースではない」と語り、ロズベルグの父親がフィンランド人であることと、ロズベルグ自身がモナコで育ってきたことをその理由にあげていた。
ロズベルグはこれに対し、ツイッターやフェイスブックにサッカーのワールドカップにちなんでドイツをテーマにした写真を掲載。さらに今週末のドイツGPでもそれを記念した特製ヘルメットを着用することを明らかにし、自分は「100%ドイツ人だ」と反撃していた。
だが、ヴォルフは、今回のハミルトンのコメントに関する報道はかなり誇張され過ぎているとドイツの『DPA通信』に次のように語った。
「あれは冗談の意味だったんだよ」
「あれ(ハミルトンのコメント)は、彼が意図したような形で表現されなかったんだ。だが、彼らはお互いにF1タイトルを賭けて争っているところだ。だから、実際の状況よりは、多少誇張されて報道されてしまう宿命にあるものなんだ」
今回のハミルトンのコメントに対する反響が大きかったことに驚いたかと尋ねられたヴォルフは、次のように続けた。
「F1はものすごくメディアに取り上げられる。だから、何か受けそうなネタがあれば、それがどんどん増幅されてしまう」
「そうなると、もうそれを止めるのは不可能なほどの勢いを持ってしまうんだ」
そう語ったヴォルフだが、この件はすでに一件落着していると次のように付け加えた。
「我々にとっては、このことについて内内に、非常にタイムリーかつ透明性のあるやり方で話し合いをすることが重要だった。この問題に関してはすぐに解決されたよ」