メルセデスAMGは、FRIC(フロント・アンド・リア・インターコネクテッド)方式のサスペンションをF1ドイツGP(20日決勝)から使用しないようだ。
FRICは前後左右、四辺を油圧装置でつないだサスペンションで、F1ではすでに数年間使われてきた。ところが先週、FIA(国際自動車連盟)が突然禁止を各チームに通達し、F1界全体に衝撃を与えた。
これを受け、すでにレッドブル、マクラーレン、フォース・インディア、トロロッソ、ケータハムなどがFRICを使用しない意向を示している。
今季9戦8勝と最強のメルセデスAMGだが、FRICにおいても最も洗練されたシステムを使っていると考えられており、これを失うことで1周0.5秒のロスになるのではないかという声もある。
しかし、16日(水)にメルセデスAMGビジネス部門のエグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフは『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。
「不満をこぼしても何の意味もない」
「(FRIC禁止が)シーズン中というのが理にかなっているのかについては議論の余地がある。個人的な意見はあるが、それは重要ではない」
「変更に向けて最善の準備を整えるため、データを精密に分析する必要がある」
「皆、FRIC禁止で最も痛手をこうむるのはわれわれだと言っているが、そうではないことを証明したい」
■シルバーストンテストでFRICなしを試したメルセデスAMG
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、メルセデスAMGが第9戦イギリスGP後のシルバーストンテストですでにFRICなしのマシンをテストしたと報じている。
その感触について、ニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)は次のように話している。
「“FRICあり”と“FRICなし”の違いは、それほど大きくない」
「確かに気がつくよ。でも、ほかのチームだって今シーズン使ってきた。このことについて考えすぎるのは嫌なんだ」
「僕には最速のマシンがある。ホッケンハイムで優勝したい」とロズベルグは母国ドイツGPに集中する姿勢を見せている。