ウィリアムズから今季ロータスに移籍、不運なレースが続くベネズエラ人ドライバー、パストール・マルドナード。だが、来週末のF1第10戦ドイツGPには大幅なパワーアップを期待している。
マルドナードは、2012年スペインGPで優勝した押しも押されもせぬF1ウィナー。固定ゼッケン制となった今年から彼は「13番」を身につけている。そのせいかどうか、ロータスでは鳴かず飛ばずだ。
ザウバーをはじめ周回遅れの常連に混じってレースをするマルドナードは今年、まだポイントを獲得していない。英エンストンに本拠を置くロータスのマシンは、速さも信頼性も欠いている。
そんな彼らだが、もうすぐ苦境から抜けだせるかもしれない。
ドイツ『Speedweek(スピードウィーク)』が伝えるところでは、マルドナードはこれまでずっとルノーの旧スペックを使用、ジリ貧にあえいでいた。
しかし、今週のシルバーストン合同テストでようやく改良型V6を手に入れたのだ。マルドナードいわく、「いきなり2機のエンジンを積んだかのような感覚」を覚えたそうだ。
「手元のデータに基づくと、旧型と新型エンジンの差は60馬力もある」と、驚いていた。
ところが昨年のF1世界チャンピオン、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)によると、あまりに高い目標設定はマルドナードにとって勘違いになりかねないという。
悲惨な冬季テストからはい上がるべく努力を重ねるルノー。その結晶を常にイの一番で試しているレッドブルだが、ベッテルは、メルセデスAMGとの差は相変わらずだと指摘する。
「その差は非常に大きい。僕らは開幕戦からほとんど詰めていないのが現状だ」と、イギリス『Sky(スカイ)』に語るベッテル。
「もちろん僕らは改善を目指していろいろやってきたさ。でも、彼ら(メルセデス)だって同じように努力しているからね」