F1競技委員長のチャーリー・ホワイティングは、F1第9戦イギリスGPの赤旗中断への批判に反論している。
イギリスGPでは、1周目にキミ・ライコネン(フェラーリ)がコース脇のガードレールに激しくクラッシュし、破損したガードレールを修復するため、レースが約1時間中断した。
これについて、メルセデスAMG非常勤会長ニキ・ラウダは「ばかばかしい」と批判している。
「同じことが起きる確率はゼロだ」とラウダ。「細かいことをいちいち気にしている間に、大勢がテレビを消してしまう」
ラウダは、ガードレールを元通りに修復する代わりに、その前にタイヤバリアを持ってくるほうが良かったと指摘している。
■ホワイティングの反論
ラウダの批判には一理あると思うかと聞かれたホワイティングは、「まったくない」とドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に答えている。
「ニキのコメントはあまり役に立たない。安全性について何も知らないということを示しているからだ」
「同じ場所でアクシデントが起きないなどと言うのは、ばかげている」
「2009年のフェリペ・マッサ(ウィリアムズ)の事故後に、バネがドライバーの頭を直撃することなど二度とないと言っていたら、バイザーを強化する運動もなかっただろう」
「もう1つ指摘すべきは、この大事故のあと、キミがほとんど無傷でクルマを降りたことだ。この数年間にマシンの安全性を高める取り組みがどれだけ行われてきたかを証明している」
■クラッシュの原因はライコネン
一方、クラッシュの原因については、ホワイティングもラウダと同様、ライコネンに非があると次のように話している。
「キミがもう少し注意してコースに戻っていれば良かったのだが」
クラッシュの原因は、コースへ戻る際に芝生と路面との段差でマシンが跳ねてコントロールを失ったことだった。しかしホワイティングは、この点でシルバーストン・サーキットに非はないとしている。
「どのサーキットにもある問題だ」とホワイティング。「こうした芝の面をコースや縁石と完ぺきに同じ高さにすることは不可能だ」
「今後は、分別のある速度でコースに戻るようドライバーたちに助言すべきだろう」