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モンツァの「問題」につけこめるか、ムジェロ

2014年07月05日(土)9:34 am

モンツァのF1イタリアGP存続が怪しい状況だ。1,000万ユーロ(約13億8,700万円)の金を用意しても足らないかもしれない。

モータースポーツの象徴的なレース開催地を保護する目的から、FIA(国際自動車連盟)は、カレンダーの決定に一定の発言権を所持するといわれる。例えばモンツァ、モナコ、ベルギーのスパ・フランコルシャン、それにイギリスのシルバーストーンなどだ。

ところが、F1グランプリ開催を仕切るバーニー・エクレストンがこのところ、イタリアで波風を立てている。現在モンツァと結んでいるF1開催契約は「大失敗」だというのだ。

「たぶん次の契約はないだろう」と、エクレストン。「2016年以降はサヨナラだな」

F1の内情に詳しい関係者だったら、エクレストンの強硬な交渉姿勢はよく知るところ。ところが、そんなエクレストンも、複数のF1開催候補地からプレッシャーを受けている。金をもっと払うからF1を開かせろというわけだ。

どうやらそのひとつが、モンツァと同じイタリアのムジェロである。フィレンツェに近い同サーキットはフェラーリが所有している。会長のルカ・ディ・モンテゼモーロも、F1カレンダー入りの希望を隠そうとしない。

そうしたフェラーリに最近、接近している人物がいるらしい。イタリアのオリンピック委員会を率いるジョバンニ・マラゴだ。しかし彼は、フェラーリが無理やりモンツァをF1から引き離す動きをみせているとのうわさを否定する。

「モンツァ問題でムジェロに考えるところがあるというが、それは違う」と、イタリア『Tuttosport(トゥットスポルト)』に語るマラゴ。

「だが、もし解決不能な問題であるなら、ムジェロの施設が超一流であることは常に頭に入れておかねばならない」

「とはいえ、モンツァが課題を克服するようイタリアの全スポーツ界をあげて願っている」

モンツァのF1開催打ち切りが真実味を帯びてきそうものなら、間違いなくイタリアは黙っていない。

「ロンバルディア州は、常にモンツァのF1グランプリで役割を担ってきた」とイタリア『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』紙に話すのは、同州のロベルト・マローニ知事。「マッテオ・レンツィ首相だって、自分の義務を放り出す真似はしないだろう。われわれは、そのように願っている」

「モンツァはイタリアGPと同義語だ。エクレストンが上げる経済的な理由は受け入れられるものではないし、歴史的にみても、モンツァが果たす国際的な役割からも、打ち切りの理由にはならない」

『Sport Business International(スポーツ・ビジネス・インターナショナル)』誌によると、モンツァは、新契約の条件について直接エクレストンとやりとりをするのはこれからだと主張している。

サーキット支配人のフェデリコ・ベンドネッリは、今年「少なくとも1,000万ユーロ」をかけてサーキット改修に着手すると言明。「今後4~5年をかけて行う」としている。

エクレストンの厳しい姿勢についてベンドネッリは、「まだ何も聞かされていない」と語った。

「イタリアGP開催に伴い、金銭的な要求はどうなるか、商業的に何を求められるか、われわれには分からない」ということだ。

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