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F1エンジン部門売却の意思はないとルノー。だが、一層レッドブル集中に方向修正か

2014年07月02日(水)21:05 pm

F1の公式エンジンサプライヤーであるルノーが、そのパフォーマンスに不満を抱くレッドブルによって買収されるのではないかとのうわさを否定した。

ルノーのパートナーであり、昨年まで4年連続でF1タイトルを獲得してきたレッドブルは、今季のルノーエンジンに対して強い不満を抱いている。チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、今週またもルノーに関し、次のようなコメントを行った。

「我々はルノーに対し、その方向性についての懸念を表明していたし、それは2012年の秋から続いていたよ」

レッドブルのルノーに対する忍耐も限界を迎えているものの、現在ルノー以外にF1にエンジンを供給しているのはライバルであるメルセデスとフェラーリだけであり、簡単にはほかのエンジンに切り替えるわけにもいかないだろうとうわさされてきている。

だが、ホーナーはこれに関し、次のように主張した。

「レッドブルのようなチームでは、常に選択肢は持っているよ。今ここでそれを明かそうとは思わないがね」

■買収ではなく介入強化のほうが得策?
そのレッドブルの選択肢のひとつに、自社エンジン製造というものがあるのは間違いないだろう。だが、レッドブルではそれはないと否定している。

だが、単純に、もっとルノーとのかかわりを強めていくという方向性もあるかもしれない。

ルノーに関しては、ヴィリー-シャティヨンにあるF1エンジン製造ファクトリーが売却されるかもしれないとのうわさも流れているが、ルノーのF1エンジン責任者であるロブ・ホワイトは、これを否定し、次のように語った。

「現時点では、ヴィリーのエンジン部門を売却するつもりはないよ。今でもルノーの子会社という位置付けだ」

ホワイトはさらに、もしレッドブルがルノーを買収したとしても、単純に現在のパワーユニットの名称を付け替えるだけで厳格なホモロゲーション(統括団体であるFIAによる承認)や、開発の「凍結」を免れるわけにはいかず、改善を妨げることにしかつながらないと次のように説明している。

「違う名前をシリンダーヘッドの上にはり付けて、最初からやり直すというわけにはいかないんだ。(2015年から参入する)ホンダでさえ、彼らが望む通りにはできないよ」

■目指すは明確な「ワークスエンジン」化か
そうした中、ドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』は、レッドブルとしては、ヴィリーのファクトリーを買収するのではなく、単にルノーのエンジンプロジェクトとの関与を強め、予算を増やし、組織の再構築を強く求めていくつもりだろうと書いている。そして、現在ケータハムのチーム代表を務めているシリル・アビテブールがその改革をリードするために、ルノーに復帰することになるという筋書きだ。

そうなれば、今後ルノーでは、すべての顧客チームでうまく機能するように努めるのではなく、今季のF1をリードしているメルセデスのように特定のチームのシャシーに合わせたエンジン開発に焦点を合わせていくことになるだろう。つまり、レッドブルに対して供給する「ワークスエンジン」開発が最優先となるわけだ。

ホーナーは1日(火)に次のように語った。

「みんなを満足させることなど決してできないよ」

「ルノーは、彼らの顧客すべてを満足させようとしていた。それは称賛に値する行為だが、競争力を高めるためには最善の方法とは言えないんだ」

ルノーにそうした変化が起ころうとしている中、現在ルノーからエンジンの供給を受けているロータスが来季はほかのエンジンに切り替えようとするのは当然のことかもしれない。

そうなれば、2015年にルノーエンジンを使うチームは3チームだけとなる。ワークスエンジンを支給されるレッドブルとそのジュニアチームであるトロロッソ、そして、グリッド最後尾に位置し、現在その動向に注目が集まっているケータハムだ。

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