現在ルノーからエンジンの供給を受けているロータスが、来季からメルセデスエンジンに切り替える準備を進めているようだと伝えられている。
2012年と2013年にコンストラクターランキング4位となっていたロータスだが、今シーズンは新たに導入されたV6ターボエンジンを搭載する今季型車E22の開発に苦しんでいる。
4年連続F1チャンピオンチームであるレッドブルもやはりルノーエンジンの問題で低迷していることは説明の必要もないことだが、ルノーエンジンに関してはとりわけ信頼性の問題を多く抱えたことに対して強い非難が起きていた。
■不調の原因はエンジンだけではない
だが、ロータスのフランス人ドライバーであるロマン・グロージャンは、ロータス低迷の責任をルノーだけに負わせるわけにはいかないとドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。
「エンジンのせいだけじゃないんだ。メルセデスと比べれば確かにパワーは劣っているけれどね」
「実際のところ、空力に関する問題のほうがもっと大きいんじゃないかな」
そうコメントしたグロージャンは、次のように説明している。
「コーナーの後半で突然グリップが失われてしまうんだ。高速コーナーでタイムを縮めても、低速コーナーを抜けるたびに2回か3回、そこでその分を失ってしまうんだ」
トラックサイドオペレーションズディレクターのアラン・パーメインも、そうした問題があることを認めている。
「我々のクルマはストップ・アンド・ゴー(のサーキット)には向いていない。我々には高速コーナーが必要だよ」とパーメインは語った。
それゆえ、E22は高速コーナーが多いバルセロナ(スペインGP/第5戦)ではかなりの競争力を発揮することができていた。そしてロータスでは、やはり高速コーナーが多い今週末のシルバーストン(イギリスGP/6日決勝)を楽しみにしている。
「我々のクルマは速いよ」と語ったチームオーナーのジェラルド・ロペスも次のように付け加えた。
「だが、それは特定の状況のもとでだけだがね」
■すでにロータスはメルセデスと交渉中か
ともあれ、そうした状況により、昨年までチーム別ランキングで4位だったチームは、現在は8番手に沈んでしまっている。その上の7番手に位置しているのが、レッドブルのジュニアチームであるトロロッソだ。
ドイツのミハエル・シュミット記者は、「少なくとも、彼らは同じエンジン(ルノー)を使っている。だが、恐らくそれも長くはないかもしれない」と書き、次のように付け加えている。
「ロータスはメルセデスと接触を持ったと言われている」
現在、メルセデスでは、自らのワークスチームであるメルセデスAMGに加え、マクラーレン、ウィリアムズ、フォース・インディアにエンジンを供給している。だが、マクラーレンはすでに来年からエンジンサプライヤーとしてF1復帰を果たすホンダエンジンに切り替えることが決まっている。
こうした状況を考えれば、メルセデスがロータスにエンジンを供給できる可能性は十分にあるだろう。エンストンにファクトリーを構え、かつてはルノーのワークスチームだったこともあるロータスが、来季はついにルノーとの決別の年を迎えることになるかもしれない。