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「誰かケータハムを救って!」チームに救世主出現を期待する可夢偉

2014年06月30日(月)16:20 pm

現在、唯一の日本人F1ドライバーである小林可夢偉(ケータハム)が、自らのツイッターの更新も控え、生き残りが不安視されているケータハムの未来を改善することに集中して取り組んでいると報じられている。

緑色のカラーリングでおなじみのケータハムだが、先週チーム創設者のトニー・フェルナンデスが自身のツイッターに「F1はうまくいっていない」とつぶやき、その後そのアカウントをクローズしたことで、フェルナンデスがこれ以上ケータハムを存続させていく意思がないことを示したものだと考えられている。

■報道に目を通しても仕方がないと可夢偉
今年2年ぶりにF1復帰した可夢偉はケータハムが低迷から抜け出せるようコックピットの中で頑張っているが、チームの将来についてはだんだんと不透明さが増してきている。可夢偉は、今はそうしたうわさからは目を遠ざけるようにしていると、イギリスの『Sky(スカイ)』に次のように語った。

「僕は本当にそういうものには目を通していません」

「もちろん、僕だってそういう話が出ることを望んではいません。僕はレースをするためにここにいます。その僕が、何かを変えるわけにはいかないでしょう? 僕がお金やいろんな物をもたらすことはできないんです」

ケータハムが、現在まさに問題を抱えているのは間違いないようだ。マレーシアの航空会社エアアジアの設立者であるフェルナンデスは、昨シーズンを終えた後、ケータハムに与えられるチャンスはあと1シーズンだけだろうと警鐘を発していた。

そして、今季はここまでに8レースを消化したが、ここまで共に最下位争いを繰り広げてきた直接的ライバルであるマルシャは、ついにモナコGP(第6戦)でチーム設立以来初めてポイントを獲得し、いまだかつてまったくポイントが獲得できていないチームはケータハムのみとなってしまった。そしてケータハムにはこれ以上投下できる予算もないと考えられている。

■ケータハムのオーナーに理解を示す元ドライバー
かつてケータハムに所属していたインド人ドライバーのカルン・チャンドックは、イギリスで行われたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの会場で次のように語った。

「なぜ彼(フェルナンデス)のF1への愛着が冷めてしまったのかは理解できるよ。5年間に1ポイントも獲得できていないんだからね」

「トニーは、彼のビジネスパートナーであるカマルディン(カマルディン・ビン・メラヌン/ケータハム・グループ共同会長)とともにものすごい額を費やしてきた。だがマルシャが2ポイントを獲得したことで、彼らに勝つことは非常に難しくなった」

チャンドックはさらに続けた。

「そしてシーズンを終えるためには、さらに3,000万ドル(約30億円)もの金が必要となる。これは、F1への愛情が冷めるのも無理はない大きな理由だと思うね」

「彼のサッカーチームはプレミアリーグに返り咲いたし、(モトGPの)2輪のチームもモト2クラスですごくいい結果を上げている。それはF1の10分の1ほどの予算で運営できるんだ」

「F1は、彼が望むような利益を上げているだろうか? 多分そうではないだろう」

だが、そのチャンドックは、フェルナンデスが不吉なつぶやきを最後にツイッターアカウントをクローズしたという事実にもかかわらず、ケータハムがすぐにでも売却あるいはチーム解散に向かっているというのは、現時点では「ただのうわさ」にしか過ぎないと語っている。

■自分の仕事に集中するしかない可夢偉
だが、可夢偉は、ケータハムが資金的問題を抱えているのは事実だと認めている。

「財政的には、僕たちは非常に厳しい状況に置かれていると思います。ですが、僕にはどうすることもできませんから、僕はただ自分の仕事に集中するだけです」

そう語った可夢偉は、次のように付け加えた。

「誰かがこのチームを救ってくれることを望むだけです。僕にはそれしか言えません」

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