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小チーム、ますます苦境に

2014年06月28日(土)9:12 am

F1を低予算で戦うチームにとって頼みの綱だった経費削減案が実施期限を過ぎた。

2015年の規則を決めるには、6月末日までに、FIA(国際自動車連盟)のモータースポーツ最高決定機関、世界モータースポーツ評議会に案を通さなければならない。これに間に合わない場合、全F1関係者の合意が必要だが、それはほぼ不可能だ。そしてその会合が期限ぎりぎりの26日(木)、ミュンヘンで開かれたのだ。

予算上限案はとっくに葬られている。資金難に苦しむチームは、何とか期限前に効果的な経費削減策が実を結んでほしいと、わらにもすがる思いだった。

だが、新しく組織された「戦略グループ」の力は強大だ。資金豊富な強豪チームが我がもの顔でふるまう同グループは、予算削減とは名ばかりの小さな案、数件について譲歩したのみだ。

それが26日、FIAに承認されたのである。

2015年は、ひとりのドライバーが1シーズンで使える「パワーユニット」の数がひとつ減り、4つになる。また、一週間の風洞施設使用時間が80時間から65時間に減る。それとバーレーンでの冬季テストが禁止となった。そしてレースの週末、チームスタッフが対象となるパドック「立入禁止」時間が延長される、

さらに、CFD(数値流体力学)の使用が一段と制限されるほか、テスト目的で使える風洞施設はひとつだけとなる。最後に、シーズン中のテストが4回から2回に減らされた。

しかし、以上の変更は「小手先」とみる者は多い。とてもではないが、これでは苦しんでいるチームが救われない。

スイス『Blick(ブリック)』紙のベテラン記者ロジェ・ベノワは、次のように疑問を投げかける。「マルシャ、ケータハム、あるいはザウバーはこれまでか?」

ジャン・トッドもバーニー・エクレストンも、参戦チームが減るのを見越して既に1チーム3台エントリー制のつめを行っているとみられる。

「現在、F1に参戦している11チームがすべてF1に残れるといいのだが」と話すのは、いわば勝ち組のメルセデスAMGを率いるトト・ヴォルフ。

「しかし過去50年を振り返ってみると、どうしてもチームの出入りはある。非常事態に陥ったら、グリッドを埋めるため1チームあたり3台のエントリーはひとつの手だろう」

レッドブルの姉妹チーム、トロロッソの代表フランツ・トストも、今グリッドに並ぶ22台が2015年も残るかどうか「怪しいところ」と認めている。

だが、いま現在チームは規則で3台エントリーを認められていない。そして満場一致を必要としない6月30日の期限は、もう間もなく過ぎてしまう。

「今は無理だ」と、イタリア『Omnicorse(オムニコルセ)』に話すトスト。「どうしても必要なら、2015年からマシンが1チーム3台に増えても私は驚かない」

ところでミュンヘンの世界モータースポーツ評議会では、もうひとつ2015年に禁止されたものがある。不かっこうな「アリクイ」ノーズだ。それに、マシン底部のスリ板に「より軽くて」「丈夫な」チタニウム製が認められた。

先週末のF1第8戦オーストリアGPフリー走行でチタニウムのブロックが試されたが、目的は1980年代のように火花を散らしながらの派手な走行を再現するためだ。

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